自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

2014年 北海道ツーリングの日記~4日目~土木作業

 テントのフライシートを激しく叩く雨音で目が覚めました。時間はまだ3時台。外は暗いです。

 随分雨が強いな、まるで嵐みたいじゃないか。

 やれやれ。本当に嵐が来ているのにまだ私は呑気に構えていました。まだ起きるには早いからひと眠りしようとしたが雨と風の音は強まるばかり。煩くて寝られるものじゃありません。

 ゴロゴロしながら何とか眠ろうとしていた時、何かの拍子で右手を床に付けたら、そこに水溜まりがありました。

 ビックリして飛び起きるとかなりの水が浸水しています。

 いままで気が付かなかったのは、マットの上に寝ていたからで、僅か1cmの厚みのマットのおかげで水に触れずにすんでいたのです。

 今使っているテントはもう9年目位になるテント。去年、床部分のシートの継ぎ目部分のシール補強を行ってはいますが、やはり防水に綻びが出ていたようです。

 浸水は主にテントの後ろ側(寝ていた位置からすると右側)で、前室側はまだ浸水していませんでした。

 ここのサイトは湖の浜側が砂や砂利の地面で、その後ろが芝になっています。私のテントはちょうど前半分が砂/砂利、後ろ半分が芝にかかっていたのです。で、水はけの悪い芝部分に水溜りが出来て、テントに浸水してきたというわけです。

 幸いスマートフォンやデジカメ等は前室側の床に置いてあったので被害は有りませんでしたが、ジーンズは雑巾みたいに水を吸っていました。

 慌てて濡れては困る物をバッグの上に移し、床の水をタオルに吸わせて前室の方で絞り、水の排出を行います。

 やはりテントは買い替えるべきだった、帰ったら直ぐ新しいテントを買おう。何が良いだろう、やっぱり同じSTACYの新型にするか、それとももう少し小型のにするか...今考えてもどうしようもない事を考えながら、時折水のふき取りをして、ゴロ寝をし、ひたすら耐える時間が続きます。

 どのくらい時間が経った時の事か、外でザッ、ザッと地面を掘るような音が聞こえてきました。

 テントの外を覗くと、右隣のテントの人(更にその隣テントの人も)がカッパを着て小さなシャベルで地面に排水用の溝を掘っていました。

 後から聞いたところによると、自分のテントを守るためと、他のテント(私のテントを含む)が水没状態となっているのを見かねて溝を掘ったそうです。

 このおかげで私のテント近くからは水が引き、浸水は止まりました。

 

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▲テントの隙間から外を伺うも人の動きは無し。地面が水浸しなのが見えます。


 9時過ぎにSから朝食にしませんか、との申し出があり、昨夜と同様に私のテントの前室でお湯を沸かしてコーヒーを淹れて簡単な朝食を摂りました。やはり大きな前室があると悪天候のときに重宝します。

 ラジオの天気概況を聞いたり、スマホで天気予報サイトで状況を確認したりします。全道各地で避難勧告や指示が出ていたみたいでした。既に大分天候は回復してきているらしく、西の方から警報が解除となっているようでした。

 上富良野にいるKからもメールが来ました。

 昨夜はやはり大変だったらしく、夜中に排水路を掘ったり、テントのフライシートとインナーシートの間にビニール袋を挟んで水の浸み込み対策をしたり、殆ど眠れなかった、とのこと。(因みにK氏も自分と同じSTACYというテントを使っています)
でも、もう雨は上がったそうです。

 

 10時頃になると雨脚も弱くなってきました。

 テントに籠っていたライダー達もボチボチとテントから出てくるようになりました。

 一番活発に?ウロウロしていたのは、例の排水溝を掘ってくれた隣のテントの二人。二人ともBMWのGS乗りで、ちょっと話をした感じからしてもかなりキャンプツーリングの経験を積んだベテランライダーのようです。

 大雨が降っても慌てず、排水溝を掘るなんて流石です。

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▲手前の緑と青のテントが救世主のGS乗りの二人のテントです。(傘差しているのがその一人)

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▲この排水溝を掘ってくれたお陰で助かりました。

 



 やがて、Sがテントのペグ打ち用のハンマーを使って排水溝を掘り始めました。
Sのテントも後ろ側が芝の部分にかかっていて、芝の部分はまだ大きな水溜りが出来ていたのです。

 それを横目に見ながら水場に顔を洗いに行ったとき、近くの小屋に雪かき用のシャベルが一つ立てかけてあることに気が付きました。

 これはいい、と私はシャベルを拝借して戻り、排水溝を掘り始めました。雪かき用のアルミのシャベルなので無理は出来ませんがハンマーで掘るよりははかどります。

 すると、周りのテントのライダー達が私の周りに集まってきました。

 ん?シャベルで土を掘るのがそんなに珍しいのか?なんて思っていたら、そのシャベルは何処で借りれるのでしょうか?と訊いてきます。要は自分達のテントも水に囲まれているので、排水溝を掘りたい、という事のようです。

 という訳で、近くのキャンパー達と土木作業が始まりました。

 我も我もと、皆テントのペグ打ちのハンマーでガリガリ地面を掘り始め、そこを私がシャベルで加勢する...キャンプ場の管理人さんが見たら何というだろうか?とちょっと気になりましたが。

 こうした作業のお陰で水は徐々に引いていきました。

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▲確実に水は引いていきます。

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 大雨のお陰で大変な状況になりましたが、今から振り返ると楽しかったですね。

 この作業がきっかけで見ず知らずの人達と話しができましたし、何となく仲間意識みたいなものを感じました。