カタナの燃費向上作戦の第二弾です。
第一弾のキャブレターのセッティング変更の効果はまだ数値として現れていませんが,せっかちな私は第二弾に取り掛かることにしました。(笑)
IGコイルの一次電圧を上がることによりプラグのスパーク(火花)を強くし,エンジンをより力強くスムーズに回す,というもので,やっている人も結構いるようです。
方法としては2つあり,電圧を昇圧させるユニットを装着して電圧を16V位にするものと,IGコイルにリレーを介してバッテリーからダイレクトに電気を供給する、というもの。
昇圧ユニットは「V-UP16」等の商品があり,その効果も評判のようです。ただしユニットの価格は2~3万円くらいします。
“なるべくお金をかけずに”,がモットーなので,まずは後者の方(リレー・ハーネスを追加)をやってみることにしました。
ノーマルのハーネスではバッテリーとIGコイルの間にIGスイッチ,キル・スイッチ,サイドスタンド・スイッチを経由しており,その分電圧が降下してしまうのですが,それを排除して本来の電圧を加えてやろう,というのが狙いです。
ノーマルの配線はこんな接続になっています。
これをどのように接続変更するかというと...
IGコイルにはリレーを介してバッテリーから直に電気を供給するようにします。
元々IGコイルに繋がっていたラインはリレーの制御用として使います。
これでIGスイッチをONにしたときだけIGコイルに電気が流れるようにできるわけです。なお,イグナイターへの電源供給はそのままとしました。
こうしたのはノーマルのハーネスの加工はしなくて済むし、すぐに元に戻すことができるからです。
用意するものはリレーとケーブルと平端子,ギボシ,それにヒューズのケース。
リレーの黄色の線は接点のON/OFF制御用のライン。黒はグランド。
赤と青は接点でON/OFFされるラインで,赤はバッテリーと,青はIGコイルにつなぎます。(新たに追加するケーブルは少し太めのケーブルにしておきます。)
IGコイルの端子はこのように平板状なので,コイルやカプラーとの接続は平端子がちょうどピッタリ合います。
接続が二方路に分かれるラインはこのような二個口のギボシを使います。
改造前の電圧を測ってみると,バッテリーの電圧は12.18Vに対し,
IGコイルでは11.63Vでした。0.55Vほど降下しています。(※エンジン停止時の測定です。)
ハーネスを見た感じでは,それほど劣化しているようには見えなかったのですが,結構電圧が下がっているものなんですね。
やはり途中にいくつもスイッチを経由していることと,ケーブルの長さが影響しているのかもしれません。
IGコイルの接続をこのように接続替えします。
※これはノーマル状態
※元々IGコイルに繋がっていたカプラーにリレーの制御信号を繋ぎます
※IGコイルには新たにこのラインを接続します
グランドの端子は、IGコイルを固定しているボルトに共締めしました。
電源はバッテリーの+端子から直接取っています。
リレーは,タンク後端下部のスペースに収めました。
ヒューズは、オリジナルの回路と同様に10Aの容量のものを入れました。
リレー・ハーネスを追加した後の電圧を測ってみると,バッテリーとIGコイルの電圧は、ほぼイコールとなりました。
※こちらはIGコイルの端子の電圧
※こちらはバッテリー端子の電圧
0.01Vの差があるように見えますが,電圧測定中にも0.01V単位の値はちょこちょこ変動するので,差は無いと考えて良さそうです。
実際走行してみた結果は,驚くような変化(パワーアップ)というものはさすがにありませんが,体感できるレベルの効果はありました!!
- エンジン始動直後も安定してアイドリングするようになったようです。
- 低回転での力強さが増したようです。以前は無造作にクラッチをつなげてアクセルを開くとノッキングしていたのですが,ノッキングがあまりしなくなりました。
- エンジンの回転もよりスムーズになりました。
今までもこのエンジンはスムーズに回ると思っていましたが,細かいノイジーな感じが無くなって滑らかになったように感じます。 - 街乗りでは少し高めのギアでも走れるようになったと思います。エンジンの回転がスムーズになったことと併せてか,オートマ車のような感覚で走れます。
- 高回転でもエンジンの回転のスムーズさを感じます。エンジンブレーキの効きもスムーズになったように感じます。
材料費はリレーやケーブル,ヒューズ等合わせても2,000円もしないので,とてもコストパフォーマンスの高いカスタムだと思います。
肝心の燃費についてはまだ判りませんが、ずいぶんと乗り易くなったので、既に満足しております。