自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

2013 北海道ツーリングの日記~5日目(後半:修行編)

足寄のホクレンは鬼門??

足寄市街には12時頃にようやく着きました。

今日のこの後は、上士幌でナイタイ高原に寄り、糠平湖で豚丼を食べ、三国峠を上って美瑛を通って上富良野の「日の出公園キャンプ場」でキャンプする予定です。

まだまだ先は長いです。

松山千春の家の看板が目に付きましたが、寄り道する時間はありません。

丁度給油の頃合なのでホクレンで給油です。今回私はハイオクガソリンを入れました。

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750のときの経験でもハイオクの方が明らかにパワー感があり、燃費も1割くらいは向上していました。

1100は十分にパワーがあったのでずっとレギュラーガスを入れていたのですが、燃費があまり思わしくない(良くて16Km/L台)のでハイオクを試すことにしたのです。

給油が終わってまず私がスタンドを出ました。そのとき歩道と車道の縁石の段差が結構あるなぁ、と気になりました。

続いてS氏がスタンドから出てきたとき、ガリッという音が聞こえました。ヘルメット越しでもハッキリきこえるくらいの音。
S氏のハーレーはサイドスタンドのリターンスプリングが車体の一番低い位置にあり、縁石に擦ってしまったようです。

直ぐに止まって調べてみたところ、スプリングが曲がってスタンドが上まで上がりきらなくなっています。走れないことは無いのですが、左コーナーではたまにスタンドが地面をするようになってしまいました。

修理のしようもないので、このまま上士幌のナイタイ高原を目指します。

しかし、今度はカタナの調子が悪くなってきました。

ナイタイ高原に向かって上っていくと、プラグがカブッたような感じで、エンジンの回転がバラつき、吹け上がりが悪くなってきました。

おまけにに空も曇ってきて、パラパラと雨まで降ってきました。

結局、高原の駐車場に着くまで調子は回復せず。カタナのほうにも暗雲が立ち込めてきた感じです。

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そのせいか、広大な景色が広がる牧場もどうってことの無いただの広い丘にしか見えません。以前来た時のような感激は全くありません。

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S氏も景色に感動している様子は無く、黙々とソフトクリームを食べています。

もっともこれはバイクの不調だけではなく、宗谷丘陵の絶景や、知床の風景を眺めた後なので無理も無い話しなのかもしれません。

やっぱり景色はその時の天気と、気持ちの持ちようで見え方が全く違うのでしょう。

天気も今一つなので、さっさと先に進むことにします。

ちょっとした挫折

次の目的地は糠平湖。
「みはる」という豚丼屋さんがあり、今回の旅の目的の一つの“豚丼を食べる”が達成できるはず。30分もあれば着くはずです。

カタナはナイタイ高原を下っても多少調子はマシになったものの、相変わらずぐずつき気味です。

糠平湖の湖畔の街並みが近づいてきました。しかし、あるはずのお店が見当たりません。街を抜けそうになったので止まって確認します。iPhoneで調べてもこの辺のはず。

豚丼”のノボリが出ている喫茶店はあるけれど、これではない。

そこでS氏が近くのホテルのフロントに訊きにいったところ、なんと閉店したとのこと。

こういう事ってあるんだなぁ。ネットで見ていたのは過去の記憶だったわけです。

仕方ないので、ちょうどバイクのすぐ横にある喫茶店で豚丼を食べることにします。

ここは外から見ると喫茶店という感じだけど、中は意外と広くて、昔の洋食屋さんという感じ。どうやら隣のホテルと繋がっていて、ホテルの食堂も兼ねているようです。
なかなか落ち着いた良い雰囲気の店内でした(写真を撮ればよかった)。

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食事を済ませたら出発です。

これから三国峠を上っていくのですが、カタナの調子は回復せず。

標高が上がるにつれ調子は更に悪くなっているようです。おまけにに空は相変わらずの曇り空で弱い雨が降ったり止んだり。

もしかして、朝の天気予報のチョイスは間違っていたんじゃなかろうか?
心配事は増えるばかり。

それにしてもカタナの不調は何が原因なのだろう。

まさかさっき入れたハイオクガソリンが原因なのだろうか?それともプラグコードやキャップだろうか?
標高が高くなるにつれ悪化するということは燃調が濃すぎるのか?

そんなことを考えているうちにアッという間に三国峠に着いてしまいました。

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峠から手前数キロは樹海の上の高架の道路で、走り応えや見ごたえのある道路なのですが、ほとんど上の空で走っていました。勿体無い。

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ここで燃調(混合気)が濃すぎるのが最も可能性があると考え、キャブレターのセッティングを調整することにしました。
(一応、工具は持ってきていましたが、本当に活用する事になるとは思いませんでした。)

パワーフィルターを外し、エア・スクリューを緩めるのです。
(※エアスクリューは締めこむと燃調が濃くなり、緩めると薄くなります。)

今現在は1-2/6回転戻しにしていますが、さらに2/6回転緩めてみることにしました。
一度いっぱいに締めこんでから改めて1-4/6回転戻します。

1番から4番シリンダーまで順に調整していきすが、2番シリンダーが何と2/6回転しか締めこめない。これが原因か?!(3番と4番は問題なかった)

うーん、よくこれで走ってきたものだ。

4気筒とも1-4/6回転戻しに調整して、エンジンを掛けて軽く吹かしてみるとスムーズに吹き上がりました。いろいろ疑問は残りますが、どうやら解決したようで一安心です。

私はすっかり気が緩んでいましたが、S氏はしきりに天気を気にしています。 “トンネルを抜けたら雨ってことにならなきゃいいが”と。

 修行の走り

バイクも直った?ようなので、出発します。

走り出して直ぐにエンジンの調子が回復しているのが分かります。むしろ昨日までよりも良いかもしれない。
しかし、パーキングから2つ目のトンネルを抜けると豪雨が待っていました。
カッパを着るか迷う余地の無い激しい雨で、堪らず路肩にバイクを止めてカッパを着込みます。

雄大な景色がどうのとか道路が走り易いだの、そんな気分は吹き飛びました。気分も一気にダウンです。
雨に激しく身体を叩かれながら走っていると、“なるほど、これが修行のような雨か”と実感できました。
そしてこの状況を本当の“修行だ!”と考えみる事にしました。すると、なぜかに気持ちが楽になりました。(楽になったような気がする)

幸い修行の時間は10分少々で終了しました。急激に空模様が回復し、青空さえ広がってきたのです。修行の心構えを持ったのが良かったのでしょうか。

ここから先は旭川が近づいてくるので、交通量も増えてきます。
このまま国道を走って旭川市街を抜けるのは時間のロスになるので、道道140->37を経由して美瑛に向かいます。

オロロンラインのような非常識なペースで走ることは出来ませんでしたが、渋滞にもはまらず18時過ぎに美瑛に到着。パッチワークの丘を少しだけ走ります。

日が暮れる直前で、しかも曇り空ではありましたが、美瑛の丘はやはり良い眺めです。

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※確か「セブンスターの木」だったかな??

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※有名な「ケンとメリーの木」ですf:id:sword749:20130807182421j:plain

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大分遅くなったので、今日のキャンプ地へ急ぎます。
しかし、またしても試練が訪れました。

空の雲が急激に暗くなってきたと思ったら雨が降り始め、どんどん強くなっていきます。
ついにこのまま走り続けるのは不可能と判断し、国道沿いの「かんのファーム」の駐車場でカッパを着込みます。

先ほどのカッパ着用とは違って今度は打ちのめされました。
もう降らないと思っていた雨はショックが大きい。それにキャンプ地の上富良野は直ぐ近く。雨が止む可能性はかなり低いです。

やはり今朝の天気予報の判断は間違っていた。もっと現実を直視し科学的に判断すべきでした。

でも今更悔やんでもどうしようもない。黙々と走り続けますが、上富良野の街に着いても雨は益々強くなってくる始末。

もはや修行どころではなく、心が折れてしまった我々は免罪符を購入することに決めました。つまりテント泊を諦め、高い料金を払って宿に入るわけです。

確かキャンプ場近くの「フラヌイ温泉」は宿泊も出来るはず。
時刻は19時半を過ぎていましたが、ダメ元で訊いてみると宿泊可、とのこと。

思わぬ形で今日の走りは終了です。

夕食はコンビニ弁当でしたが、ゆっくり風呂に入ると大分人心地がつきました。

畳で寛ぎながら久し振りのTVを観ていると、だんだん疲れが出てきたので、これまた久し振りに布団でゆっくり眠りに着きました。