朝目が覚めたのは6時くらい。キャンプ泊より遅く目が覚めます。布団で寝てほっとして今まで蓄積した疲れが出てきたのか少し身体がだるく感じます。
今日で旅は最終日。S氏は苫小牧21時発のフェリーで帰途に着くので、19時頃までに苫小牧に移動せねばなりません。
昨日までのように“今日はどこまで行こうか?”という自由なものでは無く、“苫小牧に必ず行かねばならない”ときっちり制約が付いています。
天気を確認すると曇りですが雨は降っていません。
顔を洗うついでに朝風呂に入りに行きます。
ここフラヌイ温泉は源泉のままの34℃位の“冷泉”の湯船があり、私はこれが大好きなのです。
湯(水?)に浸かったときは少し冷たく感じるのですが、いつまで浸かっていても不思議と寒く感じることは無く、実に気持ち良いのです。
折角宿に泊まり、テントの撤収にかかる時間も不要なのですが、代わりにテレビをダラダラと眺めてしまい、結局チェックアウトしたのは8時過ぎ。
そしてハーレーのサイドスタンドの曲がったスプリングの修復を試みます。
あり合わせの車載工具とタイラップで曲がって伸びたスプリングを少しでも縮められたら、と奮闘します。
しかし、スプリングはさすがに強力なもで、人の手で縮めたりすることは不可能。30分くらい格闘して諦めました。
今日は、美瑛->富良野->占冠->苫小牧という順のルートです。
近くにある本当は昨日泊まるはずだった「日の出公園キャンプ場」をちょっとおがんでから、まずは道道291を十勝岳に向かって走ります。
今まで走ってきた道に比べると細めで曲がりくねった道が続きます。
※「日の出公園キャンプ場」結構な数のライダーが雨にも負けずにキャンプしたようです
十勝岳の駐車場からの風景です。
十勝岳から美瑛方面に降りていく道道996は道幅も広くなり、眺めも良くて気持ちの良い道です。
気分良く走っていると、美瑛に近づいた辺りでクルマやバイクがぞろぞろと入っていく駐車場がありました。前を走っていたS氏が興味を引いたらしく入って行きます。
看板には「青い池」と書いてあります。何だろうこれは?聞いたことない池です。
駐車場も砂利敷きで“最近急ごしらえで作りました”感が漂います。
人の流れに続いていくとまさに「青い池」がありました。
しかし正直言ってこれは今一つに感じました。池は絵の具を溶かしたような青だし,池の形状も何か人工物っぽい感じがして「神の子池」とは大違い。
実は、この池は十勝岳の火山泥流災害を防ぐために建設された堰堤のひとつに水が溜まった池だそうで,水が青いのは諸説あるが良く分からない、と看板に正直に書いてありました。
そういう経緯だと,これはこれで一見する価値はあるのかもしれません。
池の見物の後はいよいよ美瑛観光です。
少しうす曇なのが残念。そして何よりも時間が十分に無いのが一番残念。
美瑛や富良野はそれぞれ1日くらいかけて観て回りたいくらいです。
※「四季彩の丘」というところです
昼時に近づいてきたので,美瑛の駅前でラーメンを食べることにします。北海道の幸もいいけれど、そろそろラーメンが食べたくなってきたのです。
美瑛にはいつも食べに行くラーメン屋さんがあります。有名店では無いと思うのですが、昔ながらという雰囲気のラーメン屋さんで、ラーメンの味も懐かしい感じがして好きな店です。
しかし,店があったところまで来て愕然としました。全然違うラーメン屋に変わっていました。
どうやら閉店してしまったようです。糠平の豚丼屋さんに続いての閉店です。
まだそんなに空腹でもなかったので,昼食は富良野へ行ってから「三日月食堂」でとる事にします。「北の国から」のロケでも使われた店で、ここも久し振りに行ってみたい店です。
国道の反対側の丘に向かいゆっくりと走っていくと味のある風景がそこらじゅうにあります。
「親子の木」とか時間ギリギリまで美瑛の丘を見て回ります。
畑の間を走る観光バスが何ともほのぼのとした感じがします。
※畑の真ん中にバイクがあるように見えます
昨日立ち寄った「ケンとメリーの木」にもまた寄ります。
昨日は営業が終わっていた売店でソフトクリームを買い、売店横のペンションの中庭から木を眺めたり、展示・保存されているスカイラインやスカイラインのCMのビデオを眺めたりと先を急がねばならない割にはのんびり過ごします。
そろそろ出ようか、と駐車場に戻って準備をしていたら「こんにちは」と若いライダー君が話しかけてきた。
はて?どこかで合ったような気もするけどどこだったかな?と考えたけど全くの初対面で、“大きなバイクはカッコいいなぁ”と思って話しかけてくれたらしい。
見た感じ学生かな。何と日本一週のツーリングの途中とのこと。うらやましい。いやそれよりも日本一周のためにちゃんと金を貯めて実行に移すところが素晴らしいなぁ。
ギリギリまで、というかちょっと予定オーバーして富良野に向かいます。
※左に見えるのは「かんのファーム」。昨夜カッパを着た場所ですが、昼はこのような鮮やかな花畑が国道から見えます。
この辺りの国道はクルマの交通量が多いので、上富良野で道道298にそれて畑の横の農道のような一直線に伸びる道路を進みます。
本当ならこのまま“麓郷の森”に向かいたいところですが、もう時間が無いので富良野駅前に向かいます。
富良野駅前もバスのロータリーがすっかり立派なものになっていていました。なんとなくイメージが合わないような気もします。
お目当ての「三日月食堂」の場所は良く覚えていないので、駅横の観光案内所で確認することにします。
すると(“2度ある事は3度ある”というのでちょっと不吉な予感はあったのですが)、案内所のおじさんの口からは「三日月食堂??...あ~!!もう何年か前に閉めちゃったよ。ラーメン美味しかったんだけどねぇ」という言葉が。
さすがに今度はガックリ来ました。“今回は食べることが出来ない” ではなく、“もう食べることは出来ない” のですから。
時間の流れと言うものを寂しい意味で実感させられました。かつて在ったものが無くなっているというのは本当に寂しいものです。
もう他の店を探している時間も無いので、昼食は目に付いたラーメン屋さんで味噌ラーメンを食べました。
余談ですが、このお店のお客の入りは1/3位でしたが、どうやらみんな中国人(または台湾人?)の観光客のようでした。
美瑛もそうでしたが、海外からの観光客が沢山目に付きました。
この後は苫小牧に向けてわき目も振らずに走ります。
国道38号線を帯広方面に向かって走り、途中で国道237に入り太平洋側に向かいます。
※こんな道をずっと走ります
占冠まで走って最後の給油を行います。フラッグ収集に執念を燃やすS氏はここで目出たく赤のフラッグをゲット。
これで青、緑、赤の3色を揃えることが出来ました。
(残念ながら道南エリアの黄色は入手の機会がありませんでしたが。)
ここでのカタナの燃費は21.3km/Lという好燃費!
FCRのセッティングがちゃんとしていれば1100でもこの位の燃費が出るんですね。レギュラーガスでも19km/L位は走るんじゃないでしょうか。
ガスを満タンにしたら、またひたすら太平洋側を目指します。
道は広い、クルマも少なく景色も良いのですが、テンションは上がりません。ちょっと曇り空ということもありますが、やはり“帰途についている”と思うと気分は盛り上がりません。
反対にたまにすれ違うライダーがやけに楽しそうに見えてしまいます。(多分、彼らはツーリングが始まったばかりのはず)
寄り道もせず走り続けたお陰で時間の余裕が出てきたので、セイコーマートで休憩です。
今回のツーリングですっかり気に入った「夕張メロンソーダー」で喉を潤します。
セイコーマートのPB商品は美味しい物が沢山あったので名残惜しいです。
国道235に入りついに太平洋側に出ると、交通量が一気に増え、反対に景色は今一でいよいよ走りはツマラなくなりました。クルマの流れに乗って淡々と走ります。
苫小牧市に入る辺りでちょっと道に迷いましたが19時頃に苫小牧港に到着。
とうとう北海道でのツーリングが終了しました。
小樽に上陸し、オロロンラインを走ってサロベツ原野を眺めていたのがずいぶん前のことに感じます。ずいぶん走ったものです。
S氏は21時15分発の八戸行きのフェリーに乗り、私は札幌に用があるのでここでお別れです。
苫小牧のマルトマ食堂でホッキ貝でも食べようか、と言っていたのですが、乗船手続きの時間を考えるとその余裕はなさそうです。
セイコーマートでダラダラと休憩し過ぎたせいです。最後まで微妙に時間が押してしまい、「水曜どうでしょう」のようなしまりの無い終わり方となってしまいました。
-終わり-