自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

セル・モーターの回転不良の原因(探求編)

 前回の続きです。

 まずカタナの電気系を簡単に整理してみます。
 発電系とバッテリー、セル・モーターなんかの関係はこんな感じです。

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 エンジンが掛かっているときは、ステータ・コイルで発電した電気をレギュレート・レクチファイアで12V(実際には14.5V位)に整流し、バッテリーと電装品に送られているはず。

 このとき、電装品にばかり電気を食われてバッテリーに殆ど流れていないようではNGです。バッテリーにある程度(数A位?)の電気が流れていなければならないはず。これを確かめねばなりません。

 一方、エンジンを掛けるとき、つまりセルモーターを回すときはバッテリーから出力される電気でまかなうことになります。つまりこんな電気の流れです。

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 十分な電気がセル・モーターに流れていなければなりません。


 これを念頭にチェックを行いました。

 

モーターに電気が流れていない?

 上記のことを整理したものの、まずはセル・モーターへどのくらい電気が流れているか調べてみました。

 というのは、このとき、セル・ボタンを押してもモーターはウンともスンといわなくなっていました。全く動かなくなっていました。
 しかし、ウィンカーは通常通りに点滅します。ホーンも十分大きな音が出ます。

 過去の経験からすると、セル・モーターが全く動かないくらいにバッテリーが弱っているとウィンカーは点滅せず、点灯しっ放しになるものなのです。本当にバッテリー上がりなのかな?と疑問も感じていたのです。

 セル・モーターに繋がっているケーブルをクランプメーターで挟んで、おもむろにセル・ボタンを押してみます。
 しかし、メーターの電流値に全く変化は無く、殆ど0Aのまま。

 クランプメーターの使い方を間違っているのか?とも思いましたがそんな事は無さそう。どうやら電流は本当に流れていないようです。

 という事は...、不具合個所はリレーなのか?だとすると事象との辻褄は合います。

 確かめるため、リレーからバッテリーとセル・モーターにつながっているケーブルを外し、テスターで導通を確認してみました。

 すると、セル・ボタンを押しているときはちゃんと導通しています。リレーは問題なさそう。

 ならば、セル・モーターに電気が流れない...、ということはケーブルの断線、セル・モーター側のアース不良、又はモーターそのものが壊れている、という事になります。

 

セル・モーターを交換する

 こうなったらモーター部分を開けてみないと分かりません。

 ガソリンタンクを下ろし、キャブを外し、モーターのカバーを外してみたましたが、見たところは異常なさそう。そこで、あれこれ調べる前に、思い切ってセル・モーターを予備で持っていたものに交換してみることにしました。

 モーターの交換という全く思ってもみなかった展開になりました。

 ところで、なぜセル・モーターのスペアを持っているのか?と驚かれるかもしれませんが、永年カタナに乗って自分でメンテをしていると、いつのまにかスペアパーツが集まってくるものなのです。 と言うのは半分冗談ですが、ずっと前に何かの気まぐれでヤフオクで安い出物を落札していたのです。

 でもずっと使うことは無かったし、邪魔だし処分してしまおうか?と何度も思いましたが、持っていて良かったです。


 モーターを入れ換え、配線を繋ぎ直し、IGスイッチをONにしてセル・ボタンを押してみると...見事にセル・モーターが回りました。それも力強くキュルキュル~と回ります。本来の動きです。

 何と原因はセル・モーターそのものにありました。


 しかし、なぜモーターが不調になったのか?前回の分解整備で何かミスをしたか??

 カタナを組み直してから、不良のモーターを分解してみました。

 その結果については、次回へ。