こんばんは。昨日の続きです。
フォークのオイル交換のついでにスプリングも換えてみることにしました。
私の手元にはもう一組GSX-Rのフォークがあり(殆どジャンク品ですが)、そういう訳で、このように二組のスプリングが存在しています。
△上側が今まで組み込んでいたスプリングです。
実は、元々は写真の下側のスプリングをずっと使っていました。が、昨年の夏にフォークのセッティングを変えてみたくなり、予備(というかジャンク品として)持っていたフォークのスプリングに換えてみたのです。
予備がジャンク品、というか、もう一方も大分コンディションが悪くなってきたので、どっちもジャンク品レベルになりつつあります。そう考えると、私のカタナについているパーツはどれもジャンク品だらけみたいに思えてきました。
もっとキレイに磨いたり、オーバーホールしたりしないといけないです。
話を戻し、スプリングを入れ替えたとき、あまりはっきりとした違いは感じませんでしたが、フォークの動きとしては若干固くなったような印象だったと思います。
今回は柔らかいセッティングにしてみようとしている訳ですから、スプリングを元に戻してみることにしたのです。
スプリングの正体は?
因みに、GSX-Rのサービスマニュアルによれば、GSX-Rの正立式の43Φ(インナーチューブの外径です)のこのフォーク、大きく二つの仕様があったようで、オイルの量(油面高さ)とスプリングが違うようです。
▲参照したサービス・マニュアル。随分前に入手してたのですが、英語オンリーなので、あまり目を通していませんでした。
▲スプリングの自由長について書かれている頁です。“(limit)”と書かれているので、これより短く縮んでしまったスプリングは使用限界を超えていますよ、という事なのでしょう。90年式だけ国別のセッティングを施していたようですね。
▲こちらはフォーク・オイル。厳密には89年モデルと90年モデルでもほんの少しですがオイル量/レベルが違うようです。(90年は倒立型を指している??)
USモデルの方がオイル量が多く油面が高いです。という事は空気バネの効果も強くなり、サスペンションとしては固くなるはず。やはりコーナリングより直進安定性を重視しているのかも知れません。
さて、では自分の手元にあるスプリングはどこのモデルなのだろう?
写真上側の不等長巻のスプリングの長さは352mmくらい。マニュアルに記載されている値(347mm)に近いので、USモデルと思われます。
となると、もう一つの方は?UK/Canadaモデルでしょうか?
マニュアルによるとUK/Canadaモデルの長さは277mmとずいぶん短いです。
一方、スプリングの実測値は363mmほど。長さが全然違うので別の物と考えた方が良さそうです。
実はこのスプリングが入っていたフォークは、他のバイクのカスタムに使用されていたもの。スプリングが別の物に入れ替えられていた可能性はあります。
スプリングをノーマルから社外品の物に換えてみようかなぁ、なんて考えたりもしていましたが、もしかすると既に社外品が入っていたのかもしれません。
となると、何だか急にありがたく感じてきました。
今まで入っていたオイル
後は組み立てるだけ。
再度オイル・レベルを確認します。オイルレベルは今までと同じとしましたが、組み込むスプリングのピッチが広くなるので、その分オイルの嵩上げが少なくなり、多少オイル・レベルが以前より下がることになると思います。より柔らかいセッティングになるはず。
フォーク一本で400mL少々のオイルを使うので、1L入りの缶はもう殆ど空です。
ここで、ふと、ある事に気が付きました。
前に使ったKAWASAKIのG5オイルの缶はまだたっぷり残っています。8割方は残っているような感じです。
はて? 何でこんなに余っているんだろう?
ここで思い出しました。
今まで入れていたオイルは、スズキの10GをベースにKawasakiのG5を少しブレンドしたものでした。
大して深い理由はありません。
その時は少し固めのオイルを試してみようと考え、余っていた10Gを使ったのです。G5は足りない分を補うために足しただけ。
という事なので、混ぜ合わせた比率が8(10G):2(G5)くらいだとすると、粘度でいえば30くらいになっていたはずです。だとするとダンピングが固く感じて当然です。
今頃になって気が付くとは....
オイル&スプリング交換の効果
さて、走ってみた感想です。
ダンパーのアジャスターは今までのまま(圧側:1クリック戻し、伸び側:戻し0)で様子をみてみましたが、特に問題無いように感じました。
柔らかすぎる、という事はなさそう。というか、予想に反してあまり差が無いように思います。もっと柔らかくなると予想していたので、ちょっと、いや、かなり期待外れでした。
一方、スプリングの方ですが、フォークのストロークが大きくなったのが確認できました。
フォークのインナーチューブにタイラップを巻いてストローク量を測りました。タイラップを一番下におろしておき、走行後のタイラップの位置を測ればどのくらいフォークが沈んだのか分かります。
今回の作業前では56mm。それが73mmと約17mm位伸びました。走る場所や速度でストローク量は全然変わってくるとおもいますが、同じような場所を走っての結果なので、参考にはなると思います。
やはり測ってみるとはっきりと分かるものですね。
肝心の乗り味ですが、大分コーナーでは乗り易くなったような気がします。直線の安定性も損なわれてはいないようです。概ね満足といったところでしょうか。
もう少し柔らかくしてみたい、とも思いますが、しばらくはこれで様子をみてみようと思います。