自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

ツーリングの思い出話~タダで頂いたもの

 北海道ツーリングのエピソードとして、地元の方に食材等を頂いた、という話はよくききました。バイク雑誌のツーリング体験談なんかによくそんな話が載っていました。

 でも所詮は他人事。自分はどちらかというと、バイクで走っている時間が長いしし、人との触れ合いというか交流みたいなことがちょっと苦手なので、そんな経験をすることなんて無いと思っていました。

 ところが、そんな私でも思わぬところでタダでものを頂くことになるのです。

 

 

ホタテをもらった

 道北を走っていた時の話です。

 稚内から宗谷岬へ行き、そこからオホーツク海側を南下していたら、道沿いにホタテの直売所が目につくようになってきました。

 そのうち、ふと思いつきました。直売所で2~3個ホタテを小売りしてもらって、キャンプ場で焼いて食べたら旨いだろうな、と。

 早速、目についた直売所の前でバイクを止めました。

 直売所では箱単位での販売のようでしたが、店員のお兄さんたちに、今夜キャンプ場でホタテを焼いて食べたいから、幾つか小売りしてもらえないか、とダメ元で頼んでみました。

 すると、二人の店員さんは顔を見合わせて “まっ、いいか”みたいにうなずいたら、私に希望の個数を訊かずにビニール袋を手にとって容器(バケツだったかな?)に入っている大きなホタテ貝を無造作に放り込み始めました。

 3個、4個、5個...とあっけにとられているうちにドンドンホタテ貝が放り込まれていきます。いったい幾つ入れる積もりなのか?
 慌ててもういいです、と言ったら、これだけで良いんですか?なんて訊かれてしましました。そう言われても余計な出費は抑えたいし。

 で、(金額は)幾らですか?と訊いたら、何と、売り物じゃないんでお金はいりませんよ、というのです。たしかに貝殻には海藻やらフジツボとかが付いていて、きれいな状態ではありません。でも立派なホタテ貝です。

 再びあっけにとられるやら、嬉しいやら。

 お礼を何度も言ってありがたく頂きました。(後から思うと、缶コーヒーでも買ってお礼すれば良かったと思います)

 ちょっと多めに頂いたホタテは、その日のキャンプ場に居合わせたライダー達に分けました。皆喜んでくれました。

 もちろん、味もとても美味しかったです。

 

オバちゃんからトマトをもらった話

 ツーリングの終盤のこと。北海道での最終日でフェリーターミナルのある苫小牧に向かって移動しているときでした。ツーリングとキャンプの疲れが出てきていて、おまけに風邪気味の状態で、身体の調子はちょっと悪かったです。

 途中の小さな町で栄養ドリンクを買おうとコンビニに寄りました。ドリンクで少しはシャキッとするだろうと考えたのです。
 栄養ドリンクを飲んで、風邪薬も飲んで、もうしばらく休憩しようとコンビニの駐車場の隅に座ってボーっとしていました。

 すると、買い物を済ませてコンビニから出てきたオバちゃんが近づいてきて、買い物袋から2個パックのトマトを取り出しながら “トマト食べるかい?嫌いでなかったらさぁ” と言いながら渡してくれたのです。

 いきなりの事でびっくりしたのですが、お礼を言っているうちにオバちゃんはそそくさとクルマに乗って行ってしまいました。多分、照れ臭かったのでしょう。

 丁度私の母親と同じ位の齢とみえるオバちゃん。よほど私が疲れているように見えたのでしょうか。

 頂いたトマトはその場で一個食べ、残り一個はフェリーの中で頂きました。

 

 

メロンをもらった女の子

 私が何かもらった訳ではないのですが...

 霧雨の降るある峠でのこと。(もしかすると石北峠だったかもしれません)

 峠の休憩所に入る直ぐ手前で自転車ツーリストの女の子二人を追い越しました。
こんな峠に女の子が自転車で登ってくるんだ!と感心しました。

 周りの人たちも皆そう思ったようで、凄いねぇ~とか、どこから走ってきたの?とか声をかけています。

 そのうち、女の子達と話をしていたオバちゃんがすっかり感激してしまったようで、ちょっと待ってて、と言いながらダーッと自分のクルマに駆けていくと、メロンを抱えて、これ持っていきなさい、と言いながら戻ってきました。

 わーメロンだぁーという歓声。

 メロンがちょっと羨ましく、良い光景だったな、と思います。