この年は天気が悪くてツーリングのスケジュールは狂いっぱなしでした。昼過ぎてからようやく天気が回復してきたので、思い切って納沙布岬まで足を伸ばしました。
岬に着いたのは夕方近く。この周辺にはキャンプ場が無いのでどうしたものかな、と思っていたら近くにいた年上のライダー達が、“俺達ここでテント張って泊まることにした。(土産物の)売店の人に訊いたらテント張っても構わないってさ” と言ってきました。
確かに駐車場の周りは広い芝生で、トイレも水道も使えるのでキャンプするにはもってこい。ということで、私もここにテント張って泊まることにしました。
やがて土産物屋も営業が終わり、観光客も全て引き上げていくと、今夜ここで野営する人は結構いることが判明しました。私を含めバイクで来ているのが3人。駐車場でクルマの中で夜を明かそうという人も何人(何台)か。それと自転車ツーリストの女の子が一人。
寝るには早すぎる時刻で暇を持て余したので、その女の子と自然とお喋りが始まりました。まぁ、どこから来たのか、いつまで居るのか、とかツーリスト同士のたわいも無い会話です。
因みに彼女は大学生で、自転車サークルに所属しているとのこと。既に北海道に入って1ヶ月!くらい経っていて、あと1ヶ月くらい旅を続けるそうです。何とも羨ましい。サークルのメンバーも其々北海道入りしいて、途中で合流するそうですが、女の子一人で何十日も旅を続けるとは大したものです。
そのうち、北海道を旅しているといろんな物をもらったりする、という話になり、彼女が言うには一番凄いのはメロンをもらったことだ、と言いました。
ん?私もメロンをもらったチャリダーの女の子を見たことがあるな。
まさかと思いながらも、それって去年のこと? それって峠の駐車場だった? 女の子の友達と二人だった?と訊いてみたらピッタリ話が一致しました。
目の前に居るのは、メロンかぁ、いいなぁーって思いながら眺めていた自転車の女の子だったのです。
凄い偶然ですが、長期間旅しているとこういう事って案外良くある?ようなのです。この女の子もそれ程ビックリはしていませんでした。
この他にも偶然の再会というのはいくつかあります。
富良野の吹き上げの湯で温泉に浸かっていたら、どこかで見たような人がいました。だれだっけかな~と思いながら世間話をしていましたが、風呂から上がるとき、その人から、バイクですか?と話しかけられ、数年前にキャンプ場で居合わせた人であることが判りました。
その人も風呂に入りながら、なんか見覚えのある人がいると思っていたそうで、風呂から出る間際に気が付いたそうです。
また、羅臼の国設キャンプ場の駐車場にバイクを止めたら、隣に1台のバイクが入ってきました。ライダーがこっちをニコニコしながら見ています。
これもまた、数年前に同じキャンプ場で隣にテントを張ったライダーでした。
因みにこの人も私と同じくOgawaのSTACYというテントを使っていました。その時の第一声が“同じテントが並んじゃいましたね”でした。
彼のバイクはGSX1100Fというちょっとレアなバイクだったので直ぐに気が付きました。向こうも私のカタナをよく覚えていたそうです。
こういう出来事もバイク(自転車)での旅ならではだと思います。