フロント・フォークのOH用治具その②は、ボトムケース(アウターチューブ)底のボルトを締めたり緩めたりするときにシリンダーを押さえるための治具です。
▲カタナのサービスマニュアルにも“アタッチメント”という名のツールが紹介されていました。
OH作業の記事の中でも触れましたが、上記のボルトはフォーク内部のシリンダーのネジ穴にねじ込まれているのですが、このシリンダも一緒に回ってしまってボルトが外れなかったり、完全に締める事が出来ないことがあります。
今回の作業では片側のフォークがそうなってしまいました。(今までは大丈夫だったのに)
こうなってしまったらシリンダーが回らないように治具で押さえてやる必要があります。
その厄介なシリンダーはこのような形状です。
▲こちらが底側。ボルトのネジ穴が分かると思います。
▲こちらが上側、頭の部分。ダンピング調整用のパイプが伸びています。
シリンダの頭部分にはこのように四角い窪みがあります。この寸法を測ってみると、ぴったり20mmの正方形でした。
これは何とかなりそうだ、とさっそくホームセンターに向かい、20mm四方のアルミの角パイプを入手。本当は鉄の方が良かったのですが売っていませんでした。
パイプを50cm位に切り(1m長のものしか売っていなかったので)...
パイプがわずかに太目だったのでヤスリで先端を少しだけ削ると、このようにピッタリとシリンダに嵌りました。
反対側の端にはドライバー等を差し込んでパイプを押さえるための穴をあけておきました。これで出来上がり。
フォークのキャップを外してスプリングも抜いた状態で、このようにインナーチューブの奥のシリンダの頭にパイプをはめます。
パイプを押さえながらボルトを回すとレンチにしっかりと手応えが感じられ、キッチリとボルトを締める事が出来ました。
ごく簡単な治具ですがこれが有ると無いとでは大違い。フォークのOH時はいつもボルトがちゃんと抜けるか心配していたのですが、これからは安心して作業ができます。
カタナのノーマルフォーク用
実は以前にカタナのノーマルフォークのOHを行った際にも、片側のフォークのボルトが外れず、このような治具を作ったことがあります。
カタナのノーマルフォークの構造はこのようになってます。
似たような構造ですがダンピングの調整機構が無いのでシリンダー(図の⑩のパーツ)の形状が違います。
カタナのノーマルフォークでは、このシリンダーの頭に六角形の窪みがついていました。
汎用の六角ナットのサイズで、確か17mm(もしかすると19mm?)だったと思います。
それでホームセンターで買ってきた長ナットやネジ棒とかを組み合わせて簡単な治具を作り、ボルトを外しました。(治具は処分してしまったようで、写真も残っていませんでした)
▲これは治具の写真ではないのですが、このような長ナットやネジ棒を組み合わせて作りました。
こんなもので大丈夫だろうか?と思いましたが、ちゃんと役に立ちました。
シリンダーの形状は車種により異なると思いますが、要はシリンダーが回らないように押させるものがあればいい訳で、ホームセンターなどで手に入る材料で安く自作することができるんじゃないかなと思います。
こういった工夫もサンデーメカニックの楽しみ(?)の一つです。