自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

2015北海道ツーリング・リベンジ~五日目(羅臼・熊の湯)

 知床自然センターに戻ってきたのは15時過ぎ。

 天気が良かった空はいつの間にか曇り空になっていて、ついにここも天気が崩れつつある模様。

 ならば、今日はウトロでキャンプを張るより、羅臼の方に行ってみることにしよう。

 

 三度、知床横断道を走ります。何度走ってもこの道は楽しい。

 三回目なので峠の駐車には寄らずそのまま羅臼側に下ります。高速コーナーが続くウトロ側に対し、羅臼側は中速コーナーが続きます。

f:id:sword749:20150811154208j:plain▲ここから先が羅臼側です。

 

 

 羅臼の国設野営場に着いたのは16時頃。キャンプ場入りするにはちょっと早いかな?と思いつつサイトを覗いてみたら、既にたくさんのテントが張られていました。連泊している人も多そうで、今までのキャンプ場よりも生活感が感じられます。

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 これはさっさと良い場所を確保しなければ、と受付をしてテントの設営。

 テントの設営が終わったら、買い出しを兼ねて軽く走りに出かけます。

 

 キャンプ場を出た途端、パラパラと雨が降ってきたけれど、キャンプ場の周囲だけだったようで、羅臼の街の方は晴れていました。

 国道を海側に下り、海沿いの道道87号を岬方面へ少し走ってみる。快晴とはいえないものの、海は穏やかで見晴らしもよく、国後島のシルエットがくっきりときれいに見える。北方領土ってこんなに近いんだな、と実感する。

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f:id:sword749:20150811171321j:plain▲この道沿いはこんな感じで街並みが続きます。

 

 羅臼の市街地に戻り、セイコーマートで夕食の買い出し。今日は朝にカレーライスを食べた以外はあまりしっかりとした食事をしていないのでガッツリしたものを食べたくなり、冷凍の豚串焼き選ぶ。それと野菜炒め用のパック。それともちろんビール。

 

 キャンプ場に戻ると、まずは風呂に入りに行く。このキャンプ場はすぐ隣に「熊の湯」という無料の温泉があるのが魅力。地元の有志の方々が整備しているようで、ちゃんとした脱衣場があり、湯船もしっかりとした立派なもの。

 ちょっと(というかかなり)熱めのお湯に浸かってさっぱりします。

 

f:id:sword749:20150811183404j:plain▲このような虹が出ていました。空模様は目まぐるしく変ります。

 

 

 キャンプ場に戻って夕食です。今日はいつもよりちょっとだけ早め(というか普段が遅すぎるのですが)なので、準備ものんびりです。

 まずは野菜スープ。クッカーに野菜と水とカップスープ(コンソメ)の元を入れて火にかけます。旅をしていると意外と野菜の摂取不足になるので、意識的に食べるようにしています。

 

f:id:sword749:20150811195755j:plain▲味付けはちょっと薄め。味については改善の余地がかなり有ります。

 


 スープが出来上がったら次は串焼き。

 コールマンのストーブの上にプリマスのトースターを載せてその上に串焼きを並べます。

 脂が垂れて派手に煙が上がりストーブは酷く汚れてしまうけど、どうせ帰宅してからメンテはするので構わず焼きます。

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 豚串焼きに持参したタレや塩胡椒をかけるとなかなかのお味。

 AMラジオのプロ野球のナイター中継を聴きながら、ゆっくり串焼きを食べる。気持ちの良い夕食でした。

 

 

熊の湯

 食事の後、もう一度軽く風呂に入りに行きました。何しろ歩いて5分。風呂好きには最高の環境です。

 時刻は既に21時過ぎで、風呂に入っている人は一人しか居ませんでした。空いていてラッキーです。

 先客も旅の途中という事で、世間話が始まります。

 話題はやはり天気の話から。昨日は中標津の方は大変な大雨だったそうで、キャンプしていた人達は町の役場の指示で強制避難させられたという。そんなに大変な状況だったとは...

 千葉から来たというその人は、北海道が大好きで毎年来ているそうで、北海道に移住したいくらいだ、という。で、よく話をきくとバイク乗りとのこと。今回は訳あってクルマで来ているそうですが、バイクの話になったら顔付きがキリッとなったような気がします。

 

 やがてだんだんと人が増えてきました。殆どがキャンプ場の宿泊者のようだったけど、二人ちょっと雰囲気の違う人たちが入ってきました。

 一人は80か90歳位の爺様。付き添うもう一人は60歳位かなと見える初老の男性。仙人のような髪で、全身にビッシリと刺青が入っていました。

 何となく空気が張りつめた感じになったけど、二人は気さくに周りの人たちに話しかけたりしています。

 私が湯船に入ると、仙人風の人が「お湯、熱いですか?」と訊いてきました。

 ちょっと慌て気味に「あ、えー、でも熱い風呂の入り方のコツを教えて貰ってですね...」と答えていると、
「いや、私も地元の人間なのですがね、よそから来た皆さんが熊の湯が熱いって言ってるってきくし、私もちょっと熱いと思っているんですよ。せっかく熊の湯に来て熱くて入れないと気の毒じゃないですか」という。

 最初の印象とは随分違う物腰。改めてみると柔和な目をしています。

 爺様も「ああ、この湯は熱いなぁ~。水を入れてうめればいいさぁ」と水のホースを湯船に 入れてくれました。(これで大分入り易い温度になりました)


 熊の湯で一緒になる地元(たぶん)の人は皆無口という印象でしたが、この二人は旅行者との会話を楽しんでいる様子。

 仙人風の人は、羅臼の印象ってどうですか?と訊いたり、ウトロと羅臼の状況の差とか、地元のいろいろな事を語ってくれたり。

 爺様も近くの人を話し相手に捕まえては、しわがれ声で上機嫌で喋っています。

 羅臼ではよくトドを食べるのですか?なんて訊くと、「ああ、トドをさばく道具ってものがあるのよ。ワシはトドをさばけるのさ。鮭だって何でもさばけるさぁ。でもやらしてくれんのさ...」と爺様は残念そうに言う。


 いろいろ話していた中で、爺様が「羅臼からはなぁ、国後がよく見えるのさぁ、あそこの展望台*1なんかよりもずっときれいに見えるところがあるのさぁ」「トンネルの上のなぁ、あそこからみえる国後は最高さぁ。みてみるといいさぁ」と繰り返し言っているのが印象に残りました。もしかすると、昔、国後島に住んでいたのかもしれません。

 

 やがて二人は、じゃぁお先に、と手を振って出て行きました。

 ゆっくり温泉に入りながらいろいろな話が出来て楽しかったです。

 

 本日の走行距離 : 93.4km

 

 

*1:どこのことを言っているのか分からなかったですが、羅臼の町の近く、国道沿いにある展望台のことを言っていたのだと思います。