ちょっと前の事ですが、ネットで調べものをしていたら、興味深いものを見つけました。
バイクのフロントフォークの組み付け調整に関するものです。
My GSX-R -フロントフォークの整律と前後タイヤの整列
フロントフォークの組み付け方によっては、左右のフォークがきちんと水平になっていないことがあるはず。横から見るとステムでクランプしている部分を中心にX字に交差している状態です。
▲このように横から見て左右のフォークがバッテンのように捻じれて、というかずれて組み付けられているかも。
といってもごく僅かでしょうけど、それでもフォークの伸び縮みの動作を阻害することになるし、摺動部分のスライドメタルやブッシュにも余計な負荷が掛かって摩耗を早めると思われます。
何故か今迄あまり気にしていませんでした。
特殊な道具も必要ないし簡単に出来るので、早速、調整を行いました。
用意するもの
フォークの並行具合をみるための棒を2本。長さは1mくらい。今回はアルミのアングル材を使いましたが、しならないものなら何でも良いです。
▲このアングル材を半分に切って使いました。
それ以外は、輪ゴム(棒をフォークのインナーチューブに固定するのに使います)、インナーチューブに傷が付かないように養生するためのフィルムテープ、プラスチックハンマー、といったところです。
確認、調整
やり方はこんな感じです。
フォークのインナーチューブの一番下部分に確認用の棒を輪ゴムで固定し、
▲インナーチューブには傷防止にフィルムテープを貼っておきました。
もう一つの棒をトップブリッジ上またはトップブリッジ下のインナーチューブにあてがい、上からみて二本の棒が並行になっているか確認します。並行ならば問題なし。並行になっていなければフォークが捻れて組み付けられているので調整します。
▲極僅かですけど外側に向かって棒の間隔が広がっています。
調整はトップブリッジをプラスチックハンマーでコンコンと軽く叩いて調整していきます。
ただし、自分のカタナはフォークのインナーチューブに延長キットを取り付けています。トップブリッジの辺りを叩くと延長キットの根元部分に負荷が集中してあまりよろしく無さそうなので、ハンドルをインナーチューブの上端まで下ろし、ハンドルのクランプ部分を叩いて調整しました。
調整するときは、フロントをジャッキアップし、ステムやトップブリッジのクランプボルトを緩めておきます。ホイールのアクスルシャフトやブレーキ・キャリパー、フェンダーのステーの取り付けボルトも緩めます。(キャリパーは外してしまった方がよいかもしれません)
やる事は簡単なのですが、実際やってみると結構時間がかかりました。
一つは棒の開き具合がごく僅かなので、見る位置や角度によって並行に見えたり見えなかったりして何度も見直しました。棒を反対側に伸ばして確認したり。
少し高い位置から見た方が分かりやすいです。背伸びしながら見ていましたが、何か台でも用意しておいた方が良かったと思いました。
また、晴天の元の作業だったので、アルミのアングル材に光が反射して見難くかった、ということもあります。確認用のバーに艶消しの塗装でもしておけば見やくなるかもしれません。
▲ほぼ並行になりました。だいたいこんなものでしょうか。
調整の効果
さて、その調整の効果ですが、
走り出して直ぐにフロントフォークの動きが柔らかく、今までより良く動くようになったと感じました。(ブレーキング時やアクセルを閉じたとき(減速時))
ちょっとダンピングを効かせるように調整した方が良いかな?と感じたくらいです。
また、バイクが軽く、一回り小さくなったようにも感じました。(特にゆっくり走っているとき)
暫くすると感覚が慣れてきたのか、調整前との違いはあまり気にならなくなってきましたが、バイクの動きがしっとりと上質な感じになったような気がします。
まぁ、プラシボー効果というものも有るかもしれませんが、それなりに効果はあったたと思います。
ピアノとか楽器は調律が大切なように、バイクもこういう地味な調律って大事なのでしょうね。
タイヤの空気圧、可動部分のグリスアップとか、地味なところもメンテナンスに気を配ろうと思います。