桜が満開となりました。生憎天候は曇でしかも肌寒いですが、沢山の人が花見(宴会)を楽しんでします。ほのぼのしていて良い光景です。でも桜を眺めている人は殆どいなくて、飲み物や食べ物にしか目が行っていないようです。
花見のピークは場所に着いたときに“うわーきれい!”と感嘆の声を上げたときで、飲み食いを始める時は既に桜など気にしなくなっているような気がします。
さて、先日のFCRの整備で使ったグリスについてちょっと書こうと思います。
FCRのマニュアルよると、給油(グリスアップ)箇所として“スロットルシャフトのベアリング”が示されていて、その推奨油脂としてNOKクリューバー社の「バリエルタ L55/2」というグリス(またはこれに類するもの)が指定されています。
▲“フッ素”が漢字で書かれております。
バリエルタというのはフッ素系グリースで、耐熱性に優れ(-30℃~260℃!)、ほとんどの溶剤や燃料に溶解しない、という特徴があるそうです。
エンジンの後に位置して高温にさらされ、ガソリンを扱うキャブレターにはうってつけのグリスなんでしょう。
しかしこのバリエルタは物凄く高価。たったの75g入りのチューブで軽く1万円を超える価格。75gというと小さ目の歯磨きチューブくらいの大きさ。
まさに“目が飛び出る”ような値段。
これが自分で整備をしようというFCRユーザーにとっては悩みどころで、ネットで検索するとこのバリエルタ(と値段の高さに)に関する言及が多く見られます。
こんな高いグリスはおいそれとは買えないので今回の分解整備ではスロットルシャフトのベアリングのグリスは拭き取らないようにした、とか、そもそも75gも使い切れないのでもっと少ない量で買うことは出来ないか、とか。
▲矢印のあたりにベアリングがあります。使うグリスの量はほんの僅かです。
でもこの世の中、ニーズがあるとちゃんと安くて良い代替品はが登場してくるようです。このようなグリスを見つけた方がいました。
AZという会社が販売している「MGR-001」というグリス。バリエルタと同じフッ素系グリスで、耐油性があり、ゴムやプラスチックにも使え、使用温度範囲も-36℃から260℃とバリエルタと同じ。
しかも15gで約1,000円というお手頃価格。たった15gとはいえ、FCRの整備には十分過ぎる位の量。10回くらいの整備には足りると思います。まさにFCRユーザーのための商品。
お陰でFCRの整備のハードルがグッと低くなりました。
先日の整備でスライドバルブのベアリングに塗った白いグリスはこれなのです。
もちろんFCR39を入手後に行った分解整備ではちゃんとスロットルシャフトのベアリングに塗ってあります。
因みに私の友人で500ccの単気筒エンジンのバイクに乗っているやつがいます。
彼はそのバイクのキャブレターをミクニのTM(TMRでは無いです)換えたものの、ずっとバルブの“張り付き”*1に悩んでいたそうなのですが、このグリスをバルブの摺動面に塗ったところ“張り付き”の症状が解消されたそうです。(偶然ですが彼もこのAZのグリスを見つけて使っているそうです。)
耐油性のグリスなのでこんな使い方も出来るようです。
なお、このAZ(エーゼット)という会社はオートバイや自転車のケミカルに力を入れているようで、先日の東京モーターサイクルショーにも確か出展していたと思います。便利そうな商品を取り揃えているようです。