自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

2016年北日本周遊の旅~周遊5日目(後半~ハプニング発生)

 前回からの続きです。

 やがて長い一直線の道路を走り続けると、開陽台入り口に到着。振り返るとバイク雑誌とかでよく見るお馴染みの風景が景色が広かっていました。

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 「天空の道」もそうだったけど、どんな景色の中を走っているのかは走行中はさっぱり分からないです。

 

 開陽台の展望台前駐車場にカタナを停め、雄大な景色を眺める。少し陽が傾きだした丘陵地帯が美しい。

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 今日はなかなか充実した一日だ、と思いながらメールをチェックすると太平洋フェリーから「苫小牧⇒仙台行きにご乗船されるお客様へ【臨時ダイヤ運航のご案内】」というメールが来ていました。

 やった!出発遅延のお知らせ キター!と喜んでメールを開いたら。

この度は弊社フェリーへご予約をいただきありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、台風5号の影響による、苫小牧岸壁の損傷により8/12  19:00苫小牧発仙台行き「きたかみ」は、臨時ダイヤに変更し運航いたします。
臨時ダイヤは、苫小牧港を7時間程度早めて出港(苫小牧 11:30発⇒仙台 8/13 9:00着)の予定です。
    :
尚、お手続き時間につきましては、準備出来次第出港いたしますので、8/12 6:00~10:00 までの間に苫小牧港にお越しの上、お手続きをお済ませくださいますようご案内申し上げます。 ご利用のお客様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

 

 予想外の内容で呆然となる。状況を整理してみると

  • 明日の10:00までに苫小牧に着いていないといけない。
  • 今居るのは道東の真ん中の開陽台。
  • GoogleMapで確認するとここから苫小牧港まで5時間位。休憩をいれると6時間は必要か。
  • 和琴湖畔にキャンプしたら出発は遅くても04:00で、準備を考えると起床は3時。

 

 これならキャンプせず夜通し走って、フェリーターミナルで乗船時間まで待った方がマシかもしれない。「水曜道でしょう」のヨーロッパの旅の徹夜走行みたい。

 とにかくフェリー会社に電話する。何か良い解決策が示されるかもしれない。翌日の便に振り替えるとか、他社の便にスワップとか。

 しかし答えは“乗るか乗らない”しかないという。

 

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 とりあえず電話を切って考える。苫小牧港に時間まで行くことは不可能ではないが、7時間半もスケジュールが繰り上がるともう旅は終わったも同然。

 丁度今、北海道をツーリングしている友人Kも明日同じフェリーに乗る予定。

 今は富良野にいるらしくまだ苫小牧には近い方だが、SNS

苫小牧出港が7時間繰上?
10時迄ってことは…6時には出ないとマズくないか...
なんでこんな重要なアナウンスを前日にするかなぁ?

 などと書き込んでいた。やはり影響は大きい。

 あちこちで阿鼻叫喚の図が発生したことだろう。

 

 できることならもう少し旅を楽しみたい。ダメ元で他社のフェリーの便を確認してみると、明日の19時半発の苫小牧→新潟の便に空きがあった。これなら丁度良い。それに損傷があった港とは別の港なのでダイヤの乱れは無いだろう。

 即予約を取る。そして再び太平洋フェリーに電話してキャンセルすることを伝える。*1それにしても開陽台の景色をと電話の内容の何とミスマッチなことか。

 

 そうしていたら品川ナンバーのイナズマ400とZRX1100に乗る若人二人がやって来て、“お一カタナだ”、“FCRにパワーフィルターもついている”と騒いでいて、展望台にも行かず、こちらの電話が終わるのを待っている様子。

 電話を終えて話を聞くと、ZRXの彼がFCRやTMRを付けたいが、扱い難いことはないか?またパワーフィルターで雨のときは大丈夫なのか?と気にしているそう。

 彼らにとってはうってつけのサンプルな訳で、ずっとこの仕様でツーリングしているけど全く問題なし、雨中走行でも問題なし、と伝えると良い話が聞けた!と嬉しそうだった。

 

 因みに、彼らも明日の太平洋フェリーに乗船するそうで、ダイヤ変更は知床で知ったそうだ。どうするの?と訊くと、明日の早朝に出発して乗船に間に合わせるという。タフだ。

 


 気が付くとすっかり時間が経ってしまった。もうキャンプ場に向かわねばならない。夕暮れの道を国道243号に向かって急ぐ。昼間は北海道らしい草原の中の真っ直ぐな気持ちの良い道も、日が暮れてくると寂しく心細い景色に感じる。

 

 国道に出て摩周のセイコーマートで夕食を買い(今夜は簡単にレトルトカレー)、和琴湖畔キャンプ場に着いたのはすっかり暗くなった頃。

 駐車場のクルマが多いので、混んでいるのか?と思ったら、テントサイトはもの凄い混雑だった。ライダーも多いがファミリーキャンパーも凄く多い。これはテント張れないかな?と思ったが、何とか場所を確保。

 先ほど開陽台で会った二人の姿もあった。自分の方が先に発ったのに。しかも二人は摩周湖にも寄って来たという。いったいどんな走りをしているのやら。

 

 テントを張って大急ぎで隣接の旅館へ風呂に入りに行くも、今日はあまりにお客が多すぎて入浴の受け付けは終了しましたという。こんなことは初めて。後で湖畔の露天温泉にでも入るしかない。

 

 仕方ないので先に夕食にする。開陽台で会った二人もこれから食事というので一緒に食べながらツーリング談義。

 二人はまだ18歳で高校を出たばかりという。思ったよりも若いのでちょっと驚く。

 見た目は今風のおしゃれな若者。この若さでよくこんな良いバイクに乗っていられるな、とちょっと訝しくも思ったけど、話をしているうちに時間もお金も全てをバイクに注ぎ込んでいるということが分ってくる。生活全てがバイク中心で、バイクが好きでたまらないのが良く分かる。

  このツーリングの日程も自分より1~2日短いみたいだけど、走ってきたルートは自分とほぼ同じ。かなりのカッ飛び走りをしているらしい。(というか、普段からびっくりするような距離のツーリングをやっているらしい)

 バイクメンテもツーリングもやれるかどうかなんて余計な心配よりも“やってみよう”というチャレンジングな感じで思わず“若いな”って思ってしまう。

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  話はお互いの今までのツーリングでの写真や旨かった食べ物屋さんとかの情報交換に。

  小平の「おびら鰊番屋」で食べた「鰊丼」がすごく美味しかったそうだ。これはまだ食べていない。次の楽しみができた。

 自分も網走の「ホワイトハウス」や別海の「ロマン」の巨大ポークチャップの話をすると、イナズマの方の彼は自分のテントへ走って行ったらツーリングマップルとボールペンを持ってきて、「どこですか?もう一度お願いします」とマップルにガリガリとメモを書き込む熱心さ。

 学校の先生や親御さんが見たら“勉強もそのくらい熱心にやってくれたら”と言いそうな光景。(ちゃんと勉強も熱心にやっているのかもしれないけれど)

  多分、彼らは来年も北海道にやって来るのでしょう。

 

 話は尽きなかったけど、もう23時。彼らは明日早いので お開きにする。

 何かは分からいけれど、彼らには大いに触発された。

 

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 やはり風呂には入りたかったので、湖畔の露天温泉に入りに行く。月明かりも無く真っ暗闇で、しかも丁度誰も居なかったのでちょっと不気味だったけど、やはりお湯につかると気持ちが良い。

 さっぱりして就寝。濃い一日でした。

 

 本日の走行距離 : 294.6km

 

 

 

 

*1:今回の対応では電話連絡でなければ手数料無しのキャンセルは出来なかったのです。