自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

イヤフォンのMMCXコネクタ化~KZ-ATEの改造(改造実践編)

 前回からの続き、「KZ-ATE」イヤホン改造の実践編です。(ちょっと長文になりました)

  

 

 用意した物

 まず、必要な道具や部材等について。

【工具類】

  • 半田ゴテ(電子部品用のコテ先の細いもの)
  • 電力コントローラー(コテの温度調整のためで無くても可)
  • カッター(デザインカッターがベター)
  • ツールツールクリッパー(ワニ口クリップ&ルーペ付き作業台)
  • ラジオペンチ
  • 毛抜き
  • プライヤー (又は ペンチ)
  • 小型のマイナスドライバー等(精密ドライバー)

【部材】

  • MMCXコネクタ(メス型) ✕ 2個
  • MMCXイヤホンケーブル
  • 半田
  • アクリル樹脂用の接着剤
  • エポキシ接着剤

 

 MMCXコネクターはネットで買えます。こういうものまでも当たり前のように手に入るなんて便利になったものです。

 今回買ったものは大分価格の安いものでしたが、品質は問題なかったです。ただ、海外(中国)からの発送で届くまで時間が掛かりました。

 それと、メス型とオス型のコネクタがそれぞれ5個のはずが、届いたのはメス型が4個とオス型が6個でした。まぁ必要なのはメス型が2個だけなので支障は無いのですが...

 

 

 MMCXコネクターのイヤホンケーブルはこれを選びました。マイク・コントローラー付きで、曲のスキップ、バックの他に音量の調整もできます。 

 

 

 では、早速作業の方を。

ケースの分割 & 加工

 まずイヤフォンのケースの“割り”から。再び組み立てなければならないので、きれいにケースを分離させねばなりません。

 

 まず、コード付け根の金色の金属部分をプライヤーで掴み、グイッ!と捻る(回す)と固着が剥がれます。

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 そしてその金色の金属部分を掴んでコジると、ケースの接合部分に隙間が出来るので、小さなマイナスドライバーの先をいれて捻るとパカッとケースが分離します。

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 意外と簡単に、そしてきれいにケースを分離する事ができました。

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 コードはこの位にカットし(もう後戻りはできません)、....

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 MMCXコネクタの大きさに合わせてケースのケーブル穴を少し(Φ3.5 => Φ4.5)拡大します。少々荒っぽいですがドリルで穴を広げました。

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 コードの被覆を剥きます。

 普通のワイヤー・ストリッパーでは大き過ぎるので、何かないかな?と周りを探して「毛抜き」を使いました。

 被覆に軽くカッターの刃をあてて僅かに切れ込みを入れ、毛抜きを切れ込みに挟んで被覆を引き抜きます。

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 被膜を剥いたら4本の導線(エナメル線)が出てきました。("リッツ線"というらしいです)
 緑色と赤色とブロンズ色とブロンズ/赤のツートンの4本。

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 イヤフォンのドライバユニットへは信号線とGNDの二本しか使っていないはず。プラグからマイク・リモコンまでの間は4線必要なので、他の部分も同じ4線のコードになっているのでしょう。

 どれが信号線とGNDなのか、切り離したコードのプラグとの導通を調べて割り出します。

 

エナメル線のコーティング剥がし&予備半田

 が、その前にエナメル線にはコーティングが施してあるので、それを剥がさねばなりません。

 ライターの火で炙ってコーティングを溶かす、カッターの刃や紙やすりでコーティングを削る、といったやり方もありますが、今回は半田でコーティングを溶かす方法を採りました。やってみてこれが一番簡単、確実だと思いました。

 半田コテの先に溶かした半田を水滴状に溜め、そこにエナメル線の先端を浸すとコーティングが解け予備半田も施せます。(浸す時間は1秒くらいもあれば十分です)

 ※写真を撮っている暇が無かったので、作業中の写真は省略です。

 

4極プラグと配線

 マイク・コントローラ付きイヤホンの4極プラグは、先端より左側(L)信号、右側(R)信号、GND、マイク信号となっています。*1

 テスターで確認したところ、緑色が「L」で赤色が「R」、ブロンズ色は「GND」でした。ブロンズ色と赤色のツートンの線は導通無しだったので、マイク信号でしょう。

 

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 という事なので、イヤホンのドライバから伸びる線とMMCXコネクタの接続は、

右側のイヤホン: 赤色(「R」信号線)とブロンズ色(GND)

左側のイヤホン: 緑色(「L」信号線)とブロンズ色(GND)

となります。

 

 因みに不要な2本の線はいじっているうちにスルリと抜けてしまいました。どこにも半田付けされていなかったようです。

 

コネクタ接続、完成!

 コネクタへの半田付けはツールクリッパーが活躍しました。というより、これが無ければ作業は難しかったと思います。

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 先ほどの要領でエナメル線に予備半田を施し、コネクタにも予備半田をしてから半田付けします。

 MMCXコネクタの中心のピンに信号線を、コネクタの両脇のピンのどちらか(というか外筐部分ならどこでも可)にGND線を半田付けします。

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 半田付けしたらケーブルを接続してちゃんと音が出るか確認。(ケーブルの着脱時にはコネクターをラジオペンチで固定)

 問題なければコネクタ―周囲をエポキシ接着剤で埋めてケースを貼り合わせます。

 写真を撮り忘れてしまったのですが、コネクタを収めるスペースはギリギリピッタリでした。

 

 ケースはアクリル樹脂用の接着剤で接着しました。

 

 カタナのスクリーンのひび割れの補修(接着)で使ったものなのですが、この接着剤はみ出た部分が白くならないのできれいに仕上がります。

 イヤホンを万力等でしっかり押さえておき、接着が固まったら完成です。

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上手い具合にコネクタが“面(ツラ)イチ”に収める事が出来ました。




 改めてケーブルをつなげて試聴します。

 コネクターの着脱には結構力が要るので(きつ目のホックをはめる感じ)、ケーブルが簡単に外れることは無さそうです。

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  当たり前ですが、音がちゃんと聴こえてほっとしました。音質も問題無し。

 イヤフォンケーブルは、少し硬めのコードが用いられているので絡まる事は少なさそうです。コントローラーも正常に機能したし、音量も調整できるので便利になりました。

  大満足の改造でした。

 

 

*1:注 この並びはCTIA規格というもので、iPhone等大半のスマートフォンで採用されています。たまにGNDとマイク信号が逆になっているOMTP規格のものがあるそうです。