多和平キャンプ場に到着。
しかし風が強くてキャンパーの数は少ない。空模様も今一つ。キャンプにはあまり良い状況ではないので屈斜路湖の和琴湖畔キャンプ場に向かうことにする。
ところが屈斜路湖方面に向かっているうちにいつの間にか空は雲に覆われ雨も降ってくる。どうしようかと迷いつつも和琴湖畔キャンプ場はいつも天候が安定しているから、と信じて進む。
予想通りキャンプ場に着くと雨は上がる。が、駐車場のクルマはまばらでいつもとは様子が違う。
テントサイト入口近くのクルマの人が不思議なものでも見るような表情で会釈してくる。
嫌な予感を感じながらテントサイトに入って目にしたのは、テントが一張りも無い寒々とした衝撃的な光景でした。
いつもはびっしりとテントが張られているのに。こんな和琴湖畔キャンプ場は初めて。強風が吹き荒れ、湖は茶色く濁り浜には波が打ち寄せております。
失敗した。別海あたりでキャンプを張るべきだった。が、時刻は既に午後5時を回っていて時既に遅し。
改めて見渡すとこんな天気なのに“来てしまった”人はいるようで、あちこちのバンガローの前にオートバイが止まっていました。道内ナンバーもおります。地元の人でも天気の読みは難しかった模様です。
ダメ元でキャンプ場の受付(売店)に行き、バンガローは空いていますか?と尋ねると、管理人のおじさんは仏様のような笑顔で「一つだけ空きがあるよ。1泊4,500円だけど、この天気だからバイクさんには3,000円で泊まってもらっているんだけど、それでいいかい?」
もちろんです。財布から1,000円冊を3枚つかみ出して宿泊手続きをする。
またしてもテント泊をリタイアすることになるが仕方が無い。
さらに「バンガローにはストーブもあるから。灯油もちゃんと入れてあるからね」。もはや8月の会話ではないが、ありがたい。
そしておばさんが「マットとか持っているかもしれないけどね、これ使って」と大きな厚手の銀マットとバンガロー内に靴を置くための新聞紙を渡してくれる。
オートバイから荷物を降ろしてバンガローに運び、カッパやジャケットをハンガーで壁に掛け、ストーブを点ける。ストーブの暖かさが心地良い。乾ききっていなかったツーリングマップルを温風が当たるところに置いて乾かす。
とりあえずコーヒーを滝れて一息つこうと水場に水を汲みに行ったらライダーらしき人が「こんにちは」と話しかけてくる。
このライダーさん、「僕が北海道に上陸してからずっと雨に降られています。もう心が折れました」という。みんな大変な目にあっているのだなぁ。
バンガローでヤカンのお湯を沸かそうしたら、何故かストーブの火力が安定しない。
そういえば昨日の朝もちょっと調子悪かった。ガスのカートリッジの不良だろうか?
ゴミ捨て場に使用済みのガスカートリッジが大量に並んでいたのを思い出し、まだガスが残っていそうなものを物色する。人目が無いので遠慮なく漁る。
ガスが残っているカートリッジを見つけてそれにストーブを付けて点火すると勢い良く炎が上がる。やはりガスカートリッジの問題なのだろうか。
夕食の前にキャンプ場の脇にある「湖心荘」*1に風呂に入りに行く。ここもいつもと違って空いている。待たずに風呂に入れるのは良いけれど、ちょっと寂しい。
今日の夕食はご飯を炊いてニシンの甘露煮を載せた「ニシン丼」。それとセイコーマートで買ったカップの豚汁。
水場に米をとぎに行くと、また別のライダーがいて世間話。話しの内容はもっぱら天候の話し。予報では明日は晴れるそうですけど本当ですかねえ。途中で他のキャンパーも話しに加わる。
状況が過酷になるほどコミュニケーションは活発になります。
炊けたご飯を蒸らしておく間にお湯を沸かして豚汁を作る。ご飯の上にニシンを載せて完成。久々にちゃんとしたキャンプ飯を作ったような気がする。
ご飯はふっくら上手く炊けたけど、ニシンの甘露煮はちょっと固かった。本来は「ニシンそば」用なのでこんなものなのでしょう。
AMラジオでプロ野球のナイター中継を聴きながら夕食を食べる。
食事の後はラジオを聴いたりiPhoneで音楽を聴いたり。雨は殆ど降っていないがこの風では湖畔の露天風呂にも行く気がしない。
ストーブのお陰でバンガローの中はポカポカ暖かい。バンガローの外の風の音を聴くたびににバンガローに泊まれて良かったと思う。
しばらくゴロゴロしていたけど、やる事も無いので早めに就寝。
【本日の走行距離:285.0km】
*1:元々は旅館のようですが、今は宿泊はやっていなくて日帰り入浴のみのようです。