前回の続きです。
翌朝。和琴湖畔らしい薄曇の穏やかな朝。いつものように朝5時過ぎに起きて私はキャンプ場近くの温泉に朝風呂へ。
気持ちよくお湯に浸かりさっぱりしてテントへ戻ると、越谷さんはゆとりの朝食中。自慢のコーヒーミルで豆を挽いてコーヒーを楽しんでいます。流石はベテランキャンプツーリスト。
朝食を終えると越谷さんは「昨夜お話したように今日は早く出発しますので」と言って猛然と出発準備を始めました。
シュラフやマットが畳まれ、テントもあっという間に解体され次々とバイクのリアシート上のバッグの中に消えていく。これは早い。残るはシートの上に並んだ小物類のみ。
しかしそこからが長かった。何処に何を仕舞うか迷う事が増えてきました。
コレはここに入れるか、イヤやっぱりコレを先に入れなければ。越谷さんはバイクと荷物の間を働き蟻のように目まぐるしく行き来する。が、もどかしいくらい片付いていかない。「ええ、今日こそは」手を休めずに越谷さんは言う。「何としても早く出発したいのです」。
目標の出発時刻が迫る中、焦った越谷さんはラストスパートというかパワープレーに移った。残った荷物を明らかに無理やりバッグの中に押し込んでいる。
そして遂に全ての荷物がバッグの中に収まりました。
越谷さんは額に汗をかき、軽く息を切らせながらも「何とか目標の7時前に出発できます!」と嬉しそうに和琴湖畔キャンプ場を後にして行きました。
見事目標を達成した越谷さん。
でも何か違う気がする。。。。達人たちはこんなにもドタバタせず、スマートに出発していきます。
私は越谷さんの出発準備の様を朝食を食べながら眺めていて、客観的に観察することで幾つかの問題点に気が付きました。
①テントの大きさ
達人たちはコンパクトな登山用のテントを使っている人が多いように思います。我々(私や越谷さん)が使っている前室付きの大型テントより明らかに撤収時間は短く済みます。ただ、これは後述しますがそれ程重要では無いと思います。
②荷物は前夜のうちに片付ける
達人たちは翌朝にドタバタ片付けをしていないです。前夜のうちに片付けられるものは殆ど片付けているようです。そして速やかに寝袋に入り明日の走りに備えて体力を蓄えていると思われます。
方や我々は夜遅くまでマッタリと過ごし、広げた荷物はそのままで床に就いています。当然翌朝はこれらをいちいち片付けなければなりません。
③小物類は広げない
②と通じるのですが、達人たちは小物類*1をむやみに広げていません。使ったとしても用が済んだらさっさと仕舞っていると思われます。
ダメな我々は小道具が大好き。自慢の道具を次々と傍らに広げて悦に入っています。で、この小物類の片付けが意外と時間を要するのです。一個あたり分単位で時間を要するので、小物が沢山有ると想像している以上に時間を要します。
荷物の容積としては小さいので軽視しがちですが、片付けに占める手間と時間はとても大きいです。
④朝食は簡潔に
思い起こしてみると、達人たちが朝食を摂っている様子は見たことがありません。まるで仙人のようです。洗い物が出ないようにカロリーメイトとかサンドイッチのようなもので簡単に済ませているか、朝食は摂らずにキャンプ場を出発しているのかと。
コーヒーミルで豆を挽きお湯を沸かしてコーヒーを淹れるなどもっての他。使った食器類を片付けるのにどれだけの時間を費やすことか。凝った朝食を食べている時点で負けです。
こんなところでしょうか。
特に③の“小物類は広げない”が重要だと痛感しました。
反面テントのサイズはそれ程の影響は無いかと思います。但し、前室のあるような広いテントだと、ついついいろいろな荷物を広げてしまいがちで、またそれらを出しっ放し(前室に収まるので)で寝てしまいがちです。そいう面では悪影響を及ぼすテントと言えます。
つまり...
キャンプ場についてテントを設営したら、必用最低限の道具だけ出し、夕食を済ませたら速やかに片付けを行い就寝。翌朝は朝食など食べずに速やかにキャンプを撤収する...こんなところでしょうか。
しかしこれはかなりストイック。キャンプの楽しみは半減しそうな感じです。
早朝の出発を優先するか、キャンプの楽しみを取るか。悩ましいところです。
*1:ストーブ、ランタン、ランタンスタンド、ラジオ、ポータブルスピーカー、コーヒーミル、ドリッパー、トースター、五徳ナイフ類、ポータブルバッテリー、etc。凝り性な人ほどこのようなグッズは増殖する傾向にあります。