自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

ベアリングの交換作業~前輪編

 自作の治具で見事にベアリングの抜き取りに失敗し、市販のベアリング・プーラーを購入したところからの続きです。

 

 買い物を済ませてトンボ帰りをしたので、家に付いたときはまだ日没まで十分に余裕がある時刻。早速ベアリングの抜き取り作業を再開しました。

 せっかく買った工具。早く使ってみたくて仕方がない。

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 本来、ベアリングの交換はあくまでもバイクのコンディションを回復させるための一手段に過ぎないのですが、既にベアリングを抜く作業自体が目的と化して、本末転倒になりつつあります。

 

市販の工具を使うとこんなに楽だとは

 ベアリングにセットするアタッチメントはこんな形のツメが有ります。

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 ベアリングの内輪の内側の端はこのように斜めに面取りされていて、この部分にツメをひっかけるようです。

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 ベアリングにアタッチメントをセットし、カチッとツメが引っかかるまで押し込みます。

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▲これはリアの方の作業時の写真ですが、アタッチメントはこんな感じにセットします。

 

そしてアタッチメントを外側に開くためのテーパーボルトをしっかりねじ込み、

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▲これはリアの方の作業時の写真です。ご参考まで。

 

本体(櫓みたいなもの)をセットして準備完了。

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 引き抜き用のセンターナットをレンチで締めこんでいきます。そうするとアタッチメント/テーパーボルトが少しずつ引き上げられていくのです。

 ゆっくり何回かレンチを回していくと “パキン!” という音がして、ナットを回す力が軽くなりました。どうやらベアリングの固着が外れたようです。

 これだけの力が必要なのなら自作の治具でビクともしないわけです。

 この後は、ナットをクイッ、クイッと回していくと、徐々にベアリングが引き出されてきて、あっさりとベアリングを取り出すことが出来ました。

 何という簡単さ。やはり市販の工具は凄い。

 因みに、ホイールに付いていたベアリングはNACHI製のもので、片側がゴムシールで反対側は開放型のものでした。

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 その状態は....見た目は何の問題も無くとても良いコンディションに見えます。グリスもとてもきれい。やはりベアリングに問題はなかったのでしょうか。

 せっかくツールまで買ったので、ここはそれなりに酷い状態であって欲しかった。“こりゃ交換して正解だよ!”といえるような。

 反対側も同様にベアリングを抜きましたが、こちらも同じく良いコンディション。

 本当にがっかりです。

 

ベアリングの装着

 気を取り直して新品のベアリングを装着します。日没前にはバイクにホイールを組み付けておきたい。

 ホイールのベアリングをハメるハウジング部分をきれいにふき取り、新しいベアリングを押し込みます。

 ハンマーなどで叩いて押し込むのですが、この場合の注意点は、ベアリングの外輪部分を叩くようにし、内側は決して叩かないようにしなければなりません。

 これには32mmのソケットレンチが丁度良い大きさだったので、これを使いました。(あと2~3mm大きい方がベスト)

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 因みに、このソケットはカタナのドリブンスプロケットを留めているナットに合うサイズ。ベアリングの叩きこみの他、スプロケットの交換でも使えるので、一個持っていても損は無いです。(それ以外にはこのような巨大なソケットの使い道はないですが)


 もう一つの作業のコツは、温度による金属の収縮、膨張を利用すること。

 新たに装着するベアリングは予め冷凍庫に入れておきキンキンに冷やしておき、装着する側のホイールのハウジング部分はヒートガンやトーチ等で加熱します。

 そうすることでベアリングは収縮し、ホイールのハウジングは広がり、ベアリングをスムーズに打ち込めるはずです。

 ただ、私はヒートガンもなければガス・トーチも持っていない。

 これを機にガス・トーチを買おうかとも考えましたが、他に使う機会があまりイメージできなかったので止めました。むやみに道具ばかり増やすのは控えなければなりません。

 それでこれで代用することにしました。

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 PRIMUS のP-115という超小型のガスストーブ。

 ちょっとしたトレッキングでお湯を沸かしたりするのに使っているストーブで、バーナー部分が細めで長細い炎が出てくるのでトーチの代わりに使えそう。

 やってみると、水平より下向きにして使うのはさすがに無理ですが、水平かそれより上向きならば大丈夫。ホイールを立てておけば十分に炙れます。

 どのくらい熱せれば良いのか分からないので適当に(20s~30s位でしょうか)炙り、キンキンに冷えたベアリングをソケットを当てて打ち込んでいきます。

 金槌でカンカンとソケットを叩いていくと、少しづつベアリングが入っていきます。

 最後にソケットを叩く音が“カンカン”から“キンキン”に変わると叩きこみ終了です。

 

 続いて反対側。

 ディスタンス・カラー(要は金属のパイプです)を入れてからベアリングをセットし、同様に叩き込んでいきます。

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▲これがディスタンス・カラー。錆びもなくきれいでした。


 但し、こちらは最後まで叩き込まず、ある程度ベアリングが入ったら、カラーとのクリアランスを確認しながら慎重に叩きんでいかねばなりません。

 目安はディスタンス・カラーがベアリングベアリングの間で少し動く程度。がっちり押し付けられて動かなくなるまで押し込んではNGです。

 何回か具合を確認しながら良い感じのところで叩き込み終了。


 初めてのベアリング交換でしたが何とか無事に終わりました。

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 <後輪に続く>