海鮮丼を食べ終えて、今日この後どうするか考えました。
朝の時点で漠然と考えていたのは、今日のキャンプ地を釧路より少し西の鶴居にするつもりでした。
しかし、既に15時近く。これから何処にも寄らずに真っ直ぐ向かえば日が暮れる前に着けそうですが、それだと唯の移動になってしまいそうで、ちょっと詰まらない。
ツーリングマップルを眺めて考えた結果、鶴居は止めにして今夜は多和平でキャンプをすることにしました。此処なら羅臼からも直ぐ近くだし開陽台による時間も十分に取れます。
ただ、このキャンプ場は近くに入浴施設が無いので、先に羅臼の「熊の湯」で入浴することにしました。
再び国道を峠方面に戻るようなかたちで進みます。
▲「熊の湯」入り口はこんなところです。
「熊の湯」の入り口通路のところに、原因不明で温泉の温度が低くなっています。具了承下さい、との看板が立っていました。
ここの温泉、お湯が熱すぎるくらい熱いので有名です。なので丁度良い温度になっているのでは、と期待しましたが、私には十分すぎるくらい熱いお湯でした。
開陽台
温泉を後にし、開陽台に向かいます。再びR335を走って、R244 → 道道975を経由して開陽台を目指します。
いつの間にか空は薄い曇り空となっていました。今日は暑い位のとても良い天気だったのにちょっと残念。
しかし、やはり久し振りに見る開陽台前の道(北19号線というらしい)の眺めは圧巻でした。
開陽台入口の方から見るこの風景は、バイク雑誌でよく紹介されているお馴染みの画。以前のツーリングマップの表紙も飾った事もあり、ライダーにはとても有名で、メッカとも言えるんじゃないかと思います。私も初めて来たときは(雑誌の)写真とおんなじだ!と感動したものです。
▲みんなこのように思い思いにこの景色を眺めたり写真を撮ったりしています。
自分としては開陽台そのものというより、この道の景色を観たくて来ているようなところがあります。
その為か今まで肝心の展望台からみえる景色には大して感動はしませんでした。多分ここに来るまでに雄大な景色をあちこちで見ていて、感覚が麻痺していたのでしょう。(贅沢な話ですが)
それが今回は結構凄い景色だと感じました。途方もなく広い牧草地帯が広がっているし、他の部分も見晴らしが素晴らしい。
天候とか時間帯、その時の心情とかいろいろな条件で見える景色も違ってくるのだと思います。
多和平キャンプ場での偶然
かなり陽も傾いてきたので、キャンプ地に急ぎます。
初めて行く場所ではないのですが、やはり日が暮れてくると何となく心細くなり、おまけに軽く道に迷ってしまったので気持ちは焦ります。コンビニに寄って食材を買ってキャンプ場に到着した時はこのように暗くなる寸前でした。
そして凄いバイクの数です。何となくホッとしました。
因みに、今日は利用者の数が予想以上で、テントに付ける利用証の札が無くなってしまった、とのことでした。
早速、テントを張る場所を探します。ここのテントサイトは殆どが斜面になっており、なかなか良い場所が見つかりません。
ここにしようか、と一旦選んだ場所も傾斜がきつく感じたので、もう一度周りを見渡して、少し上のスペースに張ることにしました。
すぐ横には自分と同じテントが張られています。初期型のSTACYかぁ、自分のとは色違いのだな、と思いながらそのテントのキャンパーと挨拶したら、何か記憶の奥底に引っ掛かるものがあります。
するとそのキャンパーも私をシゲシゲとみて「アレ?」と言っています。
何と以前ツーリングで会ったAさんでありました。
Aさんとは何故か縁が深いものがあります。
最初に会ったのは8年程前の上士幌航空公園キャンプ場でのこと。テントの設営をしていたら、「同じテントが並んじゃいましたね」と声を掛けてきたのがAさんでした。Aさんも自分と同じテント(そのころからSTACYを使っていた)をすぐ隣りに設営していたのです。その数日後にも根室でばったり再会し、納沙布岬に一緒に行きました。
更にその数年後、羅臼のキャンプ場の駐車場にバイクを乗り入れたとき、直ぐ後からAさんが入ってきて、偶然の再会に驚いたものでした。
あの時は翌日知床五湖へ一緒に行き、途中でクルマに跳ねられたらしい鹿の死体が道の真ん中に横たわっていたので、一緒に道路脇へ引っ張った、なんて事もありました。
そして今回の再会。単に同じキャンプ場で会ったのではなく、隣にテントを張るという偶然さにお互い心底驚きました。
上富良野のK氏
Aさんとは気が合うのか、最初に会ったときから会話が弾んだものでした。
今回もいつから道内入りし、どこで何していたかと今までのツーリングの話に花が咲きます。
▲同じテントの間での酒盛りも3回目。全て偶然の出会いによるものです。
Aさんは3日ほど上富良野の「日の出公園」で友人とキャンプしていたそうです。
上富良野というとバイクが壊れたK氏が滞在しているところ。Kの逸話を話すと、Aさんは何か思い当るのか思案顔になり、その人はどんな感じの人(見かけの特徴)ですか?と訊いてきます。
何でも、Aさんの友人が隣りのテントに括り付けられた滞在証が5日も先の日付であることに気付き、衝撃を受けたとのこと。
そして、そのテントの住人はバイクで出かけている様子もなく、毎日手持ち無沙汰な感じでボーっと時間をやり過ごしているようにも見えたそうです。
私の説明した人物像や、そのテントがSTACYであること(K氏も小川キャンパルの初期型STACYユーザー)から、Kに間違いない、という結論になりました。
世の中は狭いです。
極寒と後悔
ここのキャンプ場の最大の魅力は星がとても綺麗にみえること。あちこちのテントの前にはカメラの三脚がセットされていて天体撮影に備えています。
しかし、空は殆どが雲に覆われたまま。逆に月の回りは雲が切れて眩い月明かり(スーパームーンだったらしい)が煌々と照らされ、星はちっとも見えません。
おまけに気温はどんどん下がっていき、半袖のTシャツでは耐えられない程の寒さとなってきました。
寒いのなら何か上着を着ればよいのですが、今回のツーリングで私は大きな過ちを犯していました。なるべく荷物を減らそうと、あろうことか長袖のシャツやウィンドブレーカーを一切持ってこなかったのです。
こんなリストを作っていたにもかかわらず、です。どうして人は過去の自分の経験を信用しないのでしょう。
仕方なくレインウェアを着て寒さをしのぎましたが、寒さは益々厳しくなり、星は見えそうにも無く、周囲のキャンパー達も次々とテント内に引篭もっていったので、私達も寝ることにしました。
シュラフにもぐり込んで一旦は眠りについたのですが、暫らくして私は寒さで目が覚めました。身体が寒さでブルブルと震えています。
私のシュラフは中綿が化繊のもの。収納サイズがコンパクトなのは良いのですが保温性能は低いです。やはりダウンのシュラフを買うべきだった、と後悔しながらカッパをシュラフの上に掛けて(意外と保温効果がありました)、何とか眠りにつく事が出来ました。
<本日の走行ルート>