結構時間が経ちましたが、夏の北海道ツーリングでのカタナの燃費についてまとめてみました。
今年はV-UP16、更にはMSAを装着しており、昨年のツーリングとどう変わるかとても興味を持っていました。ほぼ一定の条件で結構な距離を走るので、燃費という面から装着したデバイスの効果が判ると思います。
それに今年はトラブルによりMSAを外したり付けたりしましたし、キャブのセッティング(ニードルのクリップ段数を変更)をいじったりしていますのでそれがどう影響しているのかとても興味深いところでした。
結果一覧
ガソリンの給油毎の燃費を下の表にまとめています。先に結論がからいうと、意外な事に殆ど変化が有りませんでした。
給油量 | 走行距離 | 燃費 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
① | 16.03L | 277.70km | 17.32km | 関越道 越後川口SAで給油 |
② | 15.26L | 303.10km | 19.86km | |
③ | 13.97L | 289.40km | 20.72km | スローペースだった |
④ | 8.99L | 194.40km | 21.62km | ハイペースだった |
⑤ | 13.22L | 267.80km | 20.26km | |
⑥ | 15.08L | 310.20km | 19.86km | |
⑦ | 14.00L | 284.10km | 20.29km | |
⑧ | 15.70L | 333.30km | 21.61km | |
⑨ | 13.91L | 295.60km | 21.25km | 帰路の高速道路 |
①は関越道で給油したときのもの。自宅出発時に90km程走っていました。また、途中からMSAは無しの状態です。トラブル対処の遅れを挽回するため高速道路での走行ペースは高目で、アクセルも少し開け気味だったと思います。
②は小樽から旭川手前で給油した時で、前日の関越道の走行も含まれています。ほぼ走行ペースは一定でした。
③は②の給油から屈斜路湖(和琴湖畔)までの走行です。旭川から北見までは道路も混んでいて(とは言っても関東よりはずっと空いていますが)、トロトロとしたゆっくり目のペースでした。
④は根室まで走った時のもの。MSAを再び装着しています。MSAの効果か、低回転でのエンジンフィーリングがスムーズになり、アクセルレスポンスも向上したのが感じられました。
また、この区間はツーリングで一番のハイペースでの走行でもありました。はっきり言って自動車専用の有料道路での速度に匹敵するペースでしたので、燃費は悪化しているのかな、と予想していましたが、想定外の好燃費でした。(というか、結果的に一番の好燃費でした)
⑤は根室半島をまわり、和琴湖畔に戻ってきて、途中雨で1日休み(美幌峠まで往復した)を挟んでします。
⑥知床を走って開陽台を経由して多和平まで走ったときのこと。ここまでの走行に比べワインディング(高速コーナーですが)の区間が多かったです。気持ち良くアクセルを開け、そこそこのペースだったと思います。
この日の出発前にニードルのクリップ段数を1段下げています。ちょうど良く使うアクセル開度のところの燃料が濃くなっているのですが、燃費はあまり変わっていませんでした。
⑦多和平(標茶)から十勝の清水町までの区間。トータルでみると、帯広の市街地を通ったり、比較的遅めのペースだったといえます。
⑧富良野から日高町(苫小牧の手前)までの区間。比較的遅めで一定のペースでの走行となったので、最も低燃費を叩き出すのでは、と思っていたのですが、実際には殆ど変らず。
⑨大半が東北道での走行。往路よりはペースが遅めです。とは言っても走行車線の流れはキープしております。ここも同じような燃費です。
ということで、①を除けば殆ど同じような燃費という結果になりました。
デバイス(MSAの有無)やキャブレターのセッティングの影響というものが燃費には影響していない、といえます。
これは、全般的に信号が少なくて一定の速度で走る状況が多かった(アクセルの開け閉めが少ない)からではないかと思います。もう少し市街地のような区間が多ければ結果も違ってきたのかも知れません。
昨年との違いは?
因みに昨年はどうだったかというと...
往路の高速道路は15.38km/L。北海道内のツーリング前半は17km/L前後でした。ただ、これはキャブレターのAS(エア・スクリュー)が一つ締め込み過ぎの状態で、適正な状態にしてからは北海道内は21km/L台、復路の高速道路は19km/L弱でした。比較するならこの値だと思います。
但し、ちょうどASの調整したときにガソリンをレギュラーからハイオクに変えています。
本来、レギュラー仕様のエンジンにはレギュラーガスが一番合うはずなのですが、カタナ(それ以前に乗っていたバイクも)はハイオクを入れると低回転でのトルクがアップして燃費も良くなる(1割位の向上)傾向がありました。昨年もハイオクを入れていた時の方がエンジンの調子は明らかに良かったです。
(ツーリングから帰ってきた後はまたレギュラーガソリンに戻していますが)
そういった事も勘定に入れないといけないのですが、今回の方が燃費は向上しているとみて間違い無いと思います。
其の他
条件で細かいところをあげると、リアのスプロケットが41Tから42Tに変更していて、ギア比がほんの少しだけ低くなっています。
理屈からいうと、エンジン回転が同じならばスピードは少し下がることになるので、燃費は悪くなるはず。でも、実際に走るのはテストコースのようなはところでは無く、信号のストップ&ゴーやコーナー等があり、エンジンのトルク/パワー、ライダーの乗り方(アクセルワーク)とかのバランスで燃費は良くなったり悪くなったりします。
実際、過去にはギア比を下げたら燃費が良くなったってことがありました。それまではエンジンのトルクに対しギア比が高過ぎて、余計にアクセルを開けていたようです。
そういことで燃費への影響はちょっと分からないです。
参考・・・750カタナではどうだったか?
以前乗っていた750カタナではどうだったか?
過去の北海道ツーリングの記録を掘り起こしてみたところ、一番良いときのツーリングで大体、22~23km/L前後。最高で24km/L後半という記録がありました。
こんなに良かったのか!とちょっと驚きました。
キャブレターはFCRの35Φを装着。ガソリンはハイオクを入れていました。
因みに、750カタナの場合は走り方で随分と燃費は変動したように記憶しています。高速道路とかちょっとペースを上げたときは顕著に燃費が低下しました。
今回のツーリングでの1100カタナではそれ程の違いは見えませんでした。
これは多分エンジンのトルクの差なのだと思います。
排気量の小さい(といってもナナハンですが)750カタナでは高い速度域では加減速でのアクセルの開け方が過剰となる傾向があったのだと思います。
1100の方は排気量が大きいだけトルクが太いので、あまりアクセルを開けなくて済んだのでしょう。
でも、これって乗り手のアクセルを開ける技術が下手/未熟である、ともいえますし、燃費を良くしようとスプロケットのギア比を高くし過ぎていた、という可能性もあります。
総括
昨年よりも燃費は向上しているといえます。V-UP16やMSAを取り付けてその効果というものが体感できていましたが、それが数値として現れていると言えると思います。
その中で一番寄与が大きいのがV-UP16と言えると思います。やはり点火(火花)の強化というのは効果絶大のようです。
それに対し、MSAは付けていた区間と外していた区間で燃費という数値では明確な差は現れませんでした。ただし、アクセルレスポンスというかフィーリングではやはり効果は感じられたので、走る場面が変われば数値にも表れてくるような気がします。
今回のツーリングでは、燃費が良くなるように走り方に気を遣った訳ではないのですが、コンスタントに20km/Lを超える結果となりました。
1100カタナでこれだけの燃費になったということは十分に満足出来る結果でした。