今日はちょっと地味な工具のお話です。
バイクやクルマを自分でいじるようになって随分経ちました。良く考えてみると、もう人生の半分以上をバイクと共に過ごしているので驚いてしまいます。
それだけ長い間、バイクいじりをやっていると、いつの間にか随分と沢山の工具が集まってきています。どれも高価なものではなく、ホームセンターで適当に買い求めたものが大半で、中には100円ショップで買ってきたものもあります。
ちょっと乱雑に増えすぎた感もある工具類ですが、その中で思い入れのある工具が二つほどあります。
KTCのメガネレンチ
一つはKTCのメガネレンチ。自分が初めて買った工具です。
まだ学生で、待望の免許(原付)とバイクを手にしバイク整備をやってみたくて仕方が無かった頃にホームセンターで買いました。10mmと12mmの組み合わせのもので、確か数百円程度だったと思います。案外安いんだな、と思った記憶があります。
なぜ、メガネレンチを買おうと思ったのかは覚えていませんが、スパナとは違い、ボルトにしっかりと掛かり、安定してボルトを回せる感覚に感激したのは覚えています。あちこちのボルトをむやみに緩めたり締めたりして喜んでいました。
その後就職して家を出る際にも、何故かこのメガネレンチは持ってきたようです。
そしてまたバイクを入手し、ボチボチと出来る範囲でバイク整備をやるようになり、少しずつ工具を買い足しながら今に至るのですが、このレンチは紛失することも無く、ずっと手元に残っています。
かなり荒い使い方もしたのですが、歪んだり割れたりすることも無く、今でも全く問題無く使えているのは流石はKTCです。
VESSELのドライバー
もう一つはVESSELのプラスドライバーです。
実は、ドライバーはずっと安物を使っていて、それこそ何かの景品でもらったような大小幾つかのサイズがセットになったものを使っていました。
ドライバーに良し悪しの差なんて大して無いと思っていたのです。
そんなあるとき、お世話になっているバイク屋さんから、ドライバーはちゃんとしたモノを使った方が良いですよ、VESSELとかの安いのでも十分だから、とアドバイスされました。
安いといっても結構良い値段するんじゃないか?と思い、その時は半分聞き流していたのですが、実際にホームセンターで見てみると一本数百円程度という事が判明。
じゃぁ試しにとプラスドライバーを一本買ったのですが、使ってみて驚きました。
ネジの頭にドライバーの刃先がガッチリと食いつくようにはまり、今迄ならナメてしまいそうなネジもしっかり回すことが出来ました。グリップも手の平に吸い付くような形状で、驚愕するくらいねじ回しが楽になりました。
目からウロコ、とは正にこの事です。
それ以来、得体の知れぬ安物のプラスドライバーは使えなくなりました。
ドライバーも消耗品の部類に入るようで、刃先も多少傷んできたようですが、それでもまだまだ十分な安定感があります。
どちらも数百円程度で買えるどうって事のない工具なのですが、私にとっては信頼感抜群の別格な存在となりました。バイクの整備をする時にこの二つの工具を手にすると安心できるんです。
これからも、特にメガネレンチは生涯使い続けていくような気がします。