キャブレターのフロート高さ(油面)を調整したついでに、スライドバルブの汚れのチェック&清掃をすることにしました。
それでキャブレターのトップカバーを4つとも開けていった何と3番シリンダーのバルブ調整のナット/同調スクリューが緩んで他よりも2mm位飛び出ていました。
▲その時の状態は写真に撮るのを忘れてしまったので...別の写真ですが、赤丸の中のナットとその中のスクリューが緩んでいました。これは4気筒用の4連キャブレターなので、この調整部位は4つあります。
つまり3番シリンダーのバルブだけが他より2mmくらい余計に開いていたことになります。39mmΦの口径に対し2mmのずれは大きい。これならエンジンの調子が悪くなって当たり前。
前回調整をしたときにナットの締め込みが甘かったのでしょう。
やれプラグコードの接触不良だ、IGコイルの劣化だのとあれこれいじくり回していましたが、原因はもっと基本的なところにありました。なぜキャブレターを疑うことをしなかったのか、と反省です。(多分、バイクからキャブレターを下ろすのが面倒だという意識がどこかにあったのだと思います)
不調の原因が判明し気分がスッキリしたところで、スライドバルブの清掃に移ります。
スライドバルブの汚れを拭き取り、特にローラーのベアリングの動きを確認。これが汚れてスムーズに回らなくなるとキャブレターのボディー側が磨耗していくので、シャーシャーとスムーズに回るよう清掃します。
そしてついでにグリスも塗りこんでみました。このベアリングが密閉型ならあまり意味は無さそうですが。もしかするとゴミの付着を誘発して逆効果になるかも。また近いうちに状態をチェックしようと思います。
翌日、時間を見つけて調子を見るためカタナを走らせました。
やはり昨年末のエンジン不調は3番スライドバルブの狂いだったようで、あの不調が嘘のようにエンジンがスムーズに気持ちよく吹けるようになりました。
それにしてもやはりバイクで走るのは楽しい。ほんのちょっと調子を見るだけのつもりだったけど、ついつい楽しくて30分くらいぐるぐると走り回ってしまいました。
毎年春の冬眠開けの走りでいつも感じることですが、アクセルをグイッと開けるとグワァーというエンジンの吸気音と排気音、それと身体が後に引っ張られるような加速のGとハンドルやステップから伝わる振動が刺激的。身体中の血液が勢い良く流れて細胞が活性化するような感じです。
バイクも人もこれで冬眠から完全に覚めました。
現在の洗練されたクルマやバイクと比べると、あらゆる面で無骨で荒々しいカタナですが、やっぱり楽しいバイクです。