自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

オートバイのサスペンション・セッティングのあれこれ

 オートバイのサスペンションのセッティングについて書いてみます。

 

 私のカタナはフロントはGSX-Rのフォーク、リアもフルアジャスタブルのサスペンション換装しているのでダンパー(減衰)調整をはじめいろいろな調整が出来ます。

 サスペンションのダンパーとかのセッティングでオートバイの走り(ハンドリング)はかなり変わるし、また出先で簡単にセッティング変更が可能なので調整機構はとても有効だと思います。(そう頻繁に調整する必要は無いですが)

 先日カタナで出かけた時もちょっと調整したりしました。

 

 でもこの調整機構は長らく “宝の持ち腐れ” 状態でした。

 どういう状態のときにどのような調整をすれば良いのかが分からず、乗り易い!と思えるセッティングを出すことが出来ずにいたのです。

 オートバイ雑誌でもたまにサスペンションのセッティング記事が掲載されていたりするのですが、正直、役に立つ記事に出会えなかったし(具体的な事が書かれていなくて、当たり障りの無い内容という印象)、教えてくれる人も身近にいなかったですし。

 また、なかなか良いセッティングに辿り着けなかったのは、プリロードもダンパーも調整範囲の真ん中くらいが基準なのだろうと思い込んでいたのも一因でした。

 

 一番役に立ったのはネット上のあちこちのブログに書かれていた情報でした。

 それらを参考にいろいろ試して漸く自分なりに満足できるセッティングができるようになったと思います。

 

 という訳で、自分なりに身に付けたサスペンションの調整とその効果について整理しておこうと思います。(街乗り/ツーリング主体でのセッティングです)

 

 

フロントフォーク

フロントフォークのスプリングのプリロード

 プリロードは"0"(ゼロ)にしています。

 以前はプリロードはある程度は掛けるものだと思っていたのですが、プリロードを掛ければかけるほど乗り難く感じたので、今は "0"にしています。(オートバイを寝かし難くなる、というかハンドリングの軽快さがなくなるように感じました)

 スプリングが柔らか過ぎると感じるならフォークの油面を上げた方が良いのかもしれません。(ただ、20~30mm程度油面を変えてもあまり違いが分からなかったような....)

 

フロントフォーク 縮み側ダンパー

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縮み側のダンピングの調整は、フォーク下部後ろ側のマイナスネジを回して調整します。締めるとダンピングの効きは弱くなり、緩めると強くなります。



 最弱の状態から調整をスタートし、コーナー入口でフロントタイヤが切れ込み過ぎるように感じるなら少しダンピングを強くします。(強くし過ぎると曲がらなくなってしまうので必要最低限で)
 現状は最弱(調整ネジを一杯に締めこんだ状態)から2ノッチ戻しくらいで落ち着いていて、たまに1ノッチ程強めたり弱めたりしています。

 

  因みにダンパーはどれも最弱の状態から調整していきます。

 

フロントフォーク 伸び側ダンパー

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伸び側のダンピングの調整も、フォークトップのマイナスネジを回して調整します。締めるとダンピングの効きは弱くなり、緩めると強くなります。


 こちらは必要を感じなければ最弱の設定のままでも良いと思います。

 伸び側の減衰を効かせるとフロントタイヤが路面に押し付けられるような効果が出ます。コーナーでフロントタイヤが外側に“逃げていく”ように感じるとき、少しダンピングを掛けてやると解消できます。

 直進時でも路面の細かな凸凹を通過した時のフォークの上下の動きが早く収束して上品な乗り心地になります。(“タタン”と揺れていたのが“タン!”で収まる感じ)

 ただ、減衰を掛け過ぎるとオートバイをバンクさせずらくなるので、必要最低限にとどめます。現状は最弱(調整ネジを一杯に締めこんだ状態)から1ノッチ戻しくらいで落ち着いています。

 

 この伸び側のダンピングを一番弱くする、というのはどこかの掲示板かブログでみた情報なのですが、私にとっては劇的に役立った情報でした。試してみると凄くオートバイが乗り易くなって驚きました。

 

 

リアサスペンション

リアサスペンション スプリングのプリロード

 ライダーが乗車せずオートバイの自重でサスペンションが沈み込む量が20~30mmになる位のプリロードが適正値だったはずです。

 この状態でライダーが乗車してリアの沈み込みが多過ぎるようならばプリロードを増やすのでは無くレートの高いスプリングに交換すべきだと思います。

 プリロードをあまり増やすと乗り難くなるし、ブレーキング時のリアサスペンションの伸びしろが削られて危険です。リアタイヤが浮き易くなり、リアがスリップしてコケる危険が大きくなります。(以前見事にコケたことがあります。)

 

リアサスペンションの車高(全長)調整

 リアサスペンションの全長を調整することでリアの車高が上下し、オートバイの前後バランスを調整することが出来ます。

 前下がりのバランスにするとコーナリングでフロントから曲がっていく感じになるし、後ろ下がりのバランスにすると安定感のあるドッシリとした乗り味になります。

 これははっきり分かって面白いです。

  リアサスペンションの調整だけではなく、フロントフォークのクランプ位置の調整(トップブリッジからのフォークの突き出し量を増やす/減らす)でも前後バランスは変えらるので、全体的な車高の高さを考慮した調整が出来ます。

 ただ、前後バランスを変更するとダンパーとかの調整も必要になったりするので、車高調整は一番最初にやった方が良いと思います。

 

リアサスペンション 伸び側ダンパ―

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 最弱からセッティングスタート。この状態ではコーナリングリアタイヤがスルスルと外側に逃げていくような、落ち着きのない感じがしますが、少しずつダンピングの効きを強めていくと解消されてきます。タイヤがしっかり路面を捉えているような感じになります。

 効きを弱めると軽快感が、強めると安定感がでる(アンダーステア方向)、ともいえます。

 これも減衰を強くし過ぎるとオートバイの寝かしこみ難くなるので、必要最低限、良い感じのところでとどめます。

 現状は調整ノブを完全に締めこんだ状態から45段戻し(60段階のうちの最弱から15段目)の状態で落ち着いています。

 

 フロントフォークのセッティングにもよりますが、丁度良い効きに調整すると、コーナリングで前後のタイヤがシンクロして同じラインを通る感じになって、気持ちよく走れるようになります。

 

リアサスペンション 縮み側ダンパ―

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 とりあえず最弱で良いかと思います。こっちは伸び側のダンパーほど重要では無いような気がします。好みの強さで良いと思います。

 今使っているサスペンションは縮み側の減衰調整が三段階調整で、最弱にしています。

 

 

 

 こんなところです。肝はフロントフォークの縮み側のダンパーとリアの伸び側のダンパーの調整かなと思います。

 サスペンションが好みのセッティングになると、路面とタイヤの感触が良く伝わって来て、自分の脚で走っているような安心感があります。(ちょっと大袈裟かもしれませんが)乗り易くて楽しくて一日中でも走っていたいくらいです。


 そのうち、リアサスペンションのスプリングをシングルレートのものを試してみようと考えています。どんな感じになるか楽しみです。