いよいよメーターの取り付けに進みます。
メーターの車体への取り付けは、トップブリッジに取り付けるのと、フレームやカウルにステーを介して取り付ける方法の二通りが考えられます。
今回はノーマルメーターと同じくトップブリッジに取り付けることとしました。またイグニッションキースイッチのユニットもノーマルと同様に固定することとしました。
まずはそのためのステーを作ります。
ノーマルメーターのステーやウッドストック製のステーを採寸して図面を引いてみます。出来上がりを想像しながら図面を引くのは楽しい作業です。
Aがメーター(ウッドストック製ステー)の固定用の穴、Bがイグニッションキースイッチの固定用穴、Cがこのステーをトップブリッジに取り付ける為の穴です。
寸法はこのようになります。
イグニッションキースイッチのユニットの固定穴:Bとトップブリッジ固定用穴:Cはノーマルメーターと同じ位置関係としています。(BとCの間隔は若干 0.5~1mmくらい広げています)
因みに私のカタナのトップブリッジは1989年式GSX-R1100(GV73A)のもので、メーターステー固定用の穴ピッチ(間隔)は本来はカタナのトップブリッジとは異なるのですが、穴位置をカタナと同じピッチに作り直しています。
ですので、このステーはカタナのノーマルのトップブリッジにも取り付け可能です。
また1986-88年式のGSX-R1100(GU74)のトップブリッジも同じ穴ピッチのはずなので取り付けられると思います。
なおCの穴径は取り付けボルトの太さ(M6)そのもののサイズとしています。
ノーマルメーターの固定用のゴムクッションを流用する場合はΦ12の穴径となります。
素材は加工の容易さを優先して2mm厚のアルミ板としました。
この位の板厚ならプラスチック用カッターで直線部分のカットが出来ます。(カット(切る)というより、カッターで溝を掘り、折って割るやり方です)
強度的に弱いようなら3mm厚の板で作り直すつもりです。
必用な大きさに板をカットしたら図面を基にステーの形をケガキで描き、穴空けの中心にはポンチで痕を付けします。
まずは穴を空け、次に曲線部分を細目のボルトで連続的に穴を空けて不要部分を切り離します。
これをヤスリでコリコリと削って形を整えます。アルミ板で2mm厚だと加工は楽です。ただの金属板がこんな風に設計したとおりの形になっていくのは楽しい作業です。
最後に万力に挟んで曲げ加工。結構簡単に出来上がりました。
しかし、これは一部寸法を間違えていて使い物にならず。もう一度作り直す事となりました。(上記の図面は寸法訂正後のものです)
改めて作ったのはこちら。図面には書いていませんが、ステムシャフトと干渉しないよう"逃げ" を設けてあります。
鈍い光を放つアルミの地肌そのままのステーもスパルタンで格好良いですが、今回はカーボン調のカッティングシートで仕上げます。
まず端の部分をブラックの塗料で塗り、
乾いたところでカッティングシートを貼り不要部分を切り取ります。
そして振動吸収のためにゴムワッシヤ'一を数枚貼り付けて出来上がり。
接着剤が乾いたところで組み立て。
イグニッションキースイッチ・ユニットはステーの下側から取り付けました。穴位置はバッチリ合っています。当初はノーマルと同様にステーの上に取り付けるつもりでしたが、下側から取り付けたほうが格好良いなと思ったので。
そしてバイクに仮組。
問題なくきれいに組み付けられました。ちゃんと付くように設計したので付いて当たり前なのですが実際に取り付けると、しかも修正加工無しで付くと実にいい気分。設計や加工の苦労が吹き飛ぶ瞬間です。
なかなか良い感じだと思います。もう少しメーターをトップブリッジに近ずけても良いかもしれません。
ステーとメーターはこのようにアルミのカラーを挟んで固定。カラーの長さを変えることによりメーターの高さも自在に変えることが出来ます。
ノーマルメーターとはボリューム感が違いますが、バランスは悪くないと思います。写真ではメーターのコンパクトさが際立っていますが、実物を見た感じはそれ程ではありません。
またアナログタコメーターとデジタルの液晶パネルが組み合わされたこのメーターはカタナと良く馴染んでいるようにみえます。
メーターの位置的にはノーマルのメーターをほぼ同じで、メーターを見る視線は今までと全く同じように感じます。
心配していたステーの強度は問題無さそうでした。2mmの板厚でもビクともしません。
因みにメーターの重さはウッドストックのステーを含んで0.4kg程。ノーマルメーターは1kg強でした。手に持ってみるとかなりの重量差です。
メーターが取り付けられたので次は配線です。