自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

スキーウェアのphenixと国産スキーのHartが事業撤退

 先日、ネットを眺めていたら、ちょっとショッキングなニュースを知りました。

 スキーウェアなどで有名なphenix(フェニックス)と国内スキーメーカーのHart(ハート)の事業撤退です。

 

 phenixは言うまでもなく日本のスキーウェアの超有名ブランド。憧れのブランドでもありました。

 ただしちょっと複雑な気持ちもあります。実は一昨年/昨年とphenixブランドのスキーグローブを買ったのですが(結局2足も)、あっという間に次々と破けてボロボロになってしまったのです。

 それまでスキーグローブはスポーツ用品量販店のPB商品とか安物ばかりを使っていましたが、そっちの方がよほど丈夫でした。phenixにとってグローブはオマケの事業だったのかもしれませんが、ブランドに対してガッカリしたのは確かです。

 phenixのウェアは日本のスキーチームとかでも採用されていたし王道のブランドイメージですが、経営は厳しかった模様。
 1980年代のスキーブームの終焉からずっと事業規模は縮小しっぱなしで、十数年前には中国企業へ身売りされていたそうです。

 

 ※事業の停止は今年の12月とのことでphenixのサイトもまだありますが、オンラインストアは既に停止されています。

www.phenix.co.jp

 

 

 

 一方のHartは日本のジャパーナという会社のスキーブランド。

 元々はアメリカのスキーブランドでしたが廃業を機にジャパーナがブランドを買い取ったそうな。そしてジャパーナはやはり廃業したヤマハのスキー製造設備/人員を引き継ぎスキー板の製造/販売を行っていました。そしてジャパーナはスポーツ用品販売のAlpenの傘下。

 

 アメリカ由来のブランド名でスキー造りはヤマハが源流という、ちょっとややこしいですが立派な国産のスキー板なのです。

 

store.alpen-group.jp

 

 でも販売がほぼAlpenの店舗に限られ、他の店で見かけることが少なく購入候補になりずらい環境にあったと思います。
 逆にAlpenのお店ではエントリーモデルから上級モデルまでHartの板だらけ。どうしてもスポーツ用品量販店のチープなプライベート・ブランドというイメージになります。

 そうなるとロシニョール、アトミック、サロモン、フィッシャーといった海外のキラキラしたブランド名に対抗するのは厳しい。。。

 

 Hartの板は日本のフリースタイル競技の選手がよく使っていたし、アルペン競技の湯浅選手もHartのユーザーでした。私もHartスキーは試乗して結構好印象でした。

 が、正直いって "Hart” というブランド名がはあまりパッとしないと思うし、日本製であることも知られていないと思います。そして販売形態のせいでブランドイメージが育たず、販売も伸びないという悪循環に陥っていたのではないかと。

 撤退は仕方ないのかもしれないけどなんか勿体ないなぁという感想です。

 

 

 phenixもHartも国内のスキー需要の長引く低迷が要因でコロナ禍はあまり関係ないかもしれません。(撤退の契機にはなったかも)

 企業の寿命は30年とか言われたりしますが、それだけ事業を継続するのは難しい事なんですね。

 

 

【余談】

 今回調べて知ったのですが、1992年のアルベールビル五輪の男子回転でフィン・クリスチャン・ヤッゲ選手(ノルウェーがHartの前身であるヤマハの板で滑って金メダルを獲得していました。

 そのヤッゲ選手は今年の7月8日に急性疾患で亡くなったそうです。。。

news.yahoo.co.jp

 

 

  いろいろ残念で寂しいニュースでした。