今年の「河口湖自動車博物館」、「彩雲」や「一式陸攻」以外の展示物は特に変化は無いようでしたが、私にとって新しい発見がありました。
ゼロ戦のエアコンディショナー
まず一つ目。
ゼロ戦を眺めていたら右の主翼の付け根付近に四角い穴があるのに気が付きました。これ何だろう?
今年もいつものスタッフの方(昨年、いろいろと詳しい解説をして頂きました)がいらっしゃったので質問してみました。
するとこれは外気を操縦席に取り込むための導入口との事でした。外板が付いていないスケルトン状態のゼロ戦でその構造が良く判りました。導入口からダクトが操縦席に伸びているのが分かります。(このスケルトン機ではダクトが途中で途切れていましたが)そして導入口にはカバーが設けられ、操縦席から開閉できるようになっています。
これに加え操縦席にはエンジンの熱で温まった空気も導入できるようになっていて、温度空調が可能だったそうです。戦闘機にこのような快適(?)装備があるとは意外でした。
布張りという意外
二つ目は方向舵や昇降舵とかは布張りだったこと。
これは何かで耳にしていたのでついでに訊いてみたらその通りとのこと。展示してある隼の2型が布張りがまだ施される前で、骨組み(フレーム)だけの部分に布が貼られるそうです。
布の張り方も詳しく教えて頂きました。
フレームの真ん中が少し凹んでいる部分に小さな穴を空け、糸で縫い付けるそうです。そして縫い目の部分にシームテープを貼り、それから塗装を施すそうです。
因みにこのように布張りだったのは日本機だけではなく当時はアメリカ軍機をはじめどの国の飛行機も同様だったそうです。「もしかするとムスタング(P-51)は薄い金属板だったかもしれないけど、殆どが布張りでしたね。」
ここには「疾風」の方向舵が展示されていますがあれは布だったんですね。
いや、ちょっと気になって訊いてみただけだったのに予想以上に深い話しが聞けました。一つ訊けば五つも十も返ってくるのです。
ついでに「ゼロ戦の主翼の下の丸い突起は何ですか?前から気になっていたのです」と尋ねたら、あれは翼内の20mm機銃の銃身角度を調整する機構のカバーだそうです。
という訳で、今年も大変充実した見学が出来ました。