自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

北海道ツーリング4日目(パート1)

 派手な雨音で夜中に目が覚める。

 夜中に雨が強まるのは予報通りだしテントへの浸水の心配は無いなので、また寝たいのだがテントを叩く激しい雨音がうるさくてなかなか眠られない。雨は弱まったり強まったりを繰り返している。

8~9mmの雨だったようです。

 

 寝たのか目を覚ましていたのかよく分からない時間を過ごし、6時前に起床。

 既に雨足は弱くなっていて、しばらくすると雨は上がった。



 ラジオを聴きながら昨日買っておいたパンとコーヒーといういつもの朝食を食べる。

 

 

 朝食後、濡れたバイクを拭き、シートを外して点火系の配線をチェックする。キャンプ場でバイクのメンテをするのは何回目だろうか。

 昨日、雨が上がってプラグキャップが乾いてもエンジンの不調が回復しなかったという事は、一年前のエンジン不調が再発した可能性がある。

 イグナイターやパルスジェネレーターの接続コネクターを見ると少し濡れていたので水気を拭き取る。エンジンを始動してみるとちゃんとかかる。これが原因だと良いのだが。

 また雨に降られても大丈夫なようにコネクターをビニールテープで巻いて防水措置を取ってみる。

 

 

 そんなことをしているうちにキャンプしていたライダー達は次々と出発していく。

 荷物をまとめてようやく準備が整ったときは殆どのライダーがキャンプ場を後にしていました。

 

 

 自分も出発。が走ってみるとエンジン不調は直っていなかった。ダメか、とかなり気持ちは凹む。

 こうなったらどこかバイク屋さんで診てもらうしかない。スマホで調べると網走には2つくらいバイク屋があるようだ。

 

 かつて北海道ツーリングでマシントラブルに見舞われたKのことを思う。あの時彼はどんな気持ちだったのだろう。

 

 最初に目についたガソリンスタンドで給油し、ついでにバイク屋さんを訊いてみる。どこか良いところありませんか?すると

 「う~ん、バイク屋あったかなぁ..?」

 「えっ!○△というお店があるはずなのですけど?」

 「うん、ホンダの店が1件あったんだけど店仕舞いしたんじゃないかなぁ」

 

 思っていた以上に状況は緊迫してきた。とりあえず店に行くだけ行ってみます、というと、スタンドの店員さんは店までの道順を詳しく教えてくれる。

 

 行ってみると店はちゃんとあり、ごめんくださいと声をかけると奥から店主らしき人が出てきた。

 事情を説明すると「これはプラグだね。プラグがダメになるとこういう症状になるよ」ときっぱり頼もしく断言する。

 

 じゃぁプラグの交換を、となったのだが残念ながらプラグの在庫が無かった。カタナとか昔のバイクで使っているサイズのプラグって最近のバイクではあまり使われていないらしい。網走で他にプラグがありそうなところは無いという。

 

 美幌の方にはバイク屋が何件かあるのでそっちだとあるかもしれないとのこと。

 「網走は ”市” で、美幌は ”町” だけどあっち(美幌)の方がいろいろあるんだよ」という。どの辺りに何というバイク屋があるかいろいろ教えてくれる。

 

 「これから知床に行く予定なのなら斜里にもバイク屋はあるよ。そっちだと方向が同じだからいいんじゃないかな」と言ってくれたが、プラグが原因とまだ断定できない。美幌に行った方が良さそうな気がする。

 美幌のバイク屋さんに電話してプラグの在庫を訊いたら有るとの事で一安心。

 

 店主がそのバイク屋までの道順を教えてくれる。スマホのナビがあるがこういう親切は心に染みる。それにいろいろ話をすることで気分は大分楽になった。礼を言って美幌に向かう。

 

 国道39号を走って女満別の丘を通って美幌町に向かう。天気は素晴らしく良いので観光していきたいところだけれど、グズつくエンジンではその余裕はない。そのまま走って無事に連絡したバイク屋さんに到着する。

 

 店では準備をして待ち構えていていてくれて早速作業をしてくれました。新品のプラグの電極のギャップを入念に調整して取り付けてくれる。

 

 しかしそれでもトラブルは直らなかった。試走してみると事象は改善したもののミスファイアは発生する。

 

 お店の人は一生懸命に診てくれた。キャブレターのジェットが詰まっていないかとキャブをおろしてチェックしたり、燃調が薄いように感じるとキャブレターのパイロットスクリューを調整してみたり。考えられることをいろいろとやってくた(自分も手伝いました)。

 

 それでも事象は解消しなかった。

 最後はプラグコード(またはキャップ)の不具合なのかな?という事になったが、残念ながらプラグコードの在庫は無いという。他の店にも電話してコードがの在庫を訊いてくれたが無かった。

 

 この時点で詰んだな、と思った。

 

 これからどうしようかといろいろ考える。陸送ができるか訊いてみたが、陸送の取り扱いは無いという。

 屈斜路湖の近くの川湯温泉という街に「エゾライダー」というライダーハウス兼レンタルバイクの店があって、そこで陸送をやっているらしいとのこと。バイクの修理もやるらしい。

 

余談ですが、このバイク屋さんでは750カタナが売られていました。中古ですが外装はレストアしたそうでとてもきれいでした。

 

 

 とりあえず今日は屈斜路湖の和琴湖畔キャンプ場に泊まることにしよう(美幌峠を越えられればだが)。そして明日以降は自走できそうなら苫小牧へ向かう事にする。そしてまた考えよう。

 

 とりあえずたまった洗濯物を洗いたいので、バイク屋さんで教えてもらった近くのコインランドリーに行く。


 洗濯物を洗濯機に入れたら昼食。せめて昼飯くらいは旨い物を食べたいと近くの回転寿司屋に入る。でもあまり食欲はわかず程ほどで済ませる。

今写真を見ると美味しそうなのですが、あまり味の記憶は残っていないです。

 

 

 でも、食欲は無くても暑いので喉は乾く。コインランドリー隣のセイコーマートで飲み物を買う。

 メロンソーダは少し甘すぎるしなぁ、でもお茶では物足りないし、と商品棚を見ていたら「ミントソーダ」なるものが目に留まる。何となく気になって買ってみたら、ミントの香りがさわやかで甘味は少なくごくごく飲める。これは美味い! セイコーマートPB商品は美味しいものが多いです。(ミントソーダはこの後何度もリピートしました。)



 しかし...一昨日は最高の一日で、このツーリングはこの一日だけでも十分だなと思ったが、まさか本当にそうなるなんて。

 

 コインランドリーで選択+乾燥が終わった衣類を取り込みバイクに積んでいると、クルマで洗濯しに来ていた若い男性が「こんにちは」と声をかけてきた。

 自分もカタナに乗っているんですよ、と。最近入手したそうで、キャブ車に乗ってみたくてと言っていた。

 

 これからどちらに行くのですか、という話になり、今の状況を話すと男性はちょっと考えて「プラグコードがあればよいのですか?」という。

 それで解決するのなら何とかしますよ、という事らしい。口ぶりから予備のコードを持っているのではなさそうで、自分のバイクから外してという事かもしれない。

 そこまでしてもらうのは悪いし、ウオタニのIGコイルに付けるには専用の金具が必要なので、何とか走れそうだからと礼を言うに留めた。しかしこんな事を言ってくれるなんて感激しました。

 

 そしてこの男性はこの先、美幌峠方面に向かう途中にテントを張れる温泉施設がありますよ、と教えてくれた。「峠の湯」という施設で、温泉利用者は駐車場の横のスペースに無料でテントを張れるとのこと。「食事もできるし良いですよ」。

 

 旅での親切というのは本当に嬉しい。

 

 (続きます)