以前から疑問に思っていたのですが、SR型の国内仕様のカタナの配線図を見ると、シグナルジェネレータとイグナイターの結線は2本なのですが、
シグナルジェネレータの実物を見るとコードが4本なのです。でもイグナイター側はコードが2本なので、結線されているのは配線図どおり2本です。
因みにサービスマニュアルのシグナルジェネレータの点検でもチェックする配線は2本(青と黄)だけで、もう2本(緑と黒)には触れられておりません。
存在しないことになっているもう2本は何なのか疑問に思っていました。
エンジン不調の原因探求でシグナルジェネレータを初めてまじまじと見て、今まで疑問に思っていたことが解消されました。
シグナルジェネレーターには1-4シリンダー用のピックアップコイルと2-3シリンダーのピックアップコイルが実装されていました。それぞれのコイルから配線が2本出ているので合計で4本なわけです。
イグナイターにつながっているのは1-4シリンダー用のピックアップコイルの配線で、この信号からイグナイターの中で1-4シリンダー用と2-3シリンダー用の二つのイグニッションコイルの1次側電流のスイッチングのタイミングを生成しているようです。
そして何でシグナルジェネレータに不要なピックアップコイルが付いているかというと、恐らくこのシグナルジェネレータは複数の車種で使用されている共用部品で、車種によっては両方のピックアップコイルの信号を使っているのだと思います。
カタナのイグニッションコイルは一つのコイルで2つのシリンダーの点火を行っているので、このように360度周期で点火をしていることになり、不要な排気時にも点火しています。(4サイクルエンジンなので本来は720度周期での点火)。故に2番と3番、または1番と4番のシリンダーのプラグコード・キャップを入れ替えてもエンジンは回ります。
それなら、イグナイターの配線を変更してパルスジェネレーターの2-3番用のピックアップコイルの線につなぎ、イグナイターとイグニッションコイルの接続も入れ替えて(白の線を2-3番用のIGコイルに、黒橙の線を1-4番用のIGコイルにつなぐ)やればエンジンは回るはず。。。。
という事でやってみました。エンジン不調の原因探求の真っ只中で余計なことをしているヒマは無かったのですが。
これでセルモーターを回すと普通にエンジンは掛かりました。アイドリングだけではなく、走っても見ましたが全く問題なし。想定通りの結果でしたが、好奇心は満たされました。
もしまたエンジンのトラブルが発生して、シグナルジェネレータのピックアップコイルの不良が疑われた場合、このようにもう一方のピックアップコイルに接続替えして検証する事が出来ます。
またピックアップコイルの予備がある、と考えることもできます。
ピックアップコイルはネジで固定されているようなので、外して保管しておくという手もあります。(その方が寿命は延びるでしょう)
何となく得した気分というか、役立つ知識が得られた作業でした。
(以上)