愛用しているニーチェアXのシートが破れてしまったので、ミシンを使って自作に
チャレンジしました。
▲購入時の姿。
▲使用8年目。突然ビリッと破れてしまいました。
まず“ニーチェア”について....
新居 猛さんいうデザイナーが「心地よく、丈夫で、とことん安く、どこにでも置ける、食べ物でいうとカレーライスのような椅子をつくりたい」と設計した折り畳み式の椅子。
モダンでシンプルなデザインで、しかも座り心地が抜群に良くて、ニューヨーク近代美術館に永久収蔵されているほどの逸品。
残念ながら新居さんは既に亡くなっており、製造、販売をしていた「ニーファニチア」という会社も2013年に廃業されています。*1
今現在は幾つかのメーカーが製造・販売を引き継いでいて、椅子本体や交換用のシートも手に入るのですが、メーカーによって少し寸法が違っているようで、入手したシートが合わないなんてこともあるようです。*2
そういう状況なので、どこのシートを買ったらよいのやら、と調べていたら“シートは簡単に自作できる”という情報を見かけました。(Amazonのユーザーレビューで)
【正規ライセンス】Ny chair X 「ニーチェア エックス(交換用シート)」ベージュ 【デザイナー:新居猛】【MOMA】【折り畳み】【ラウンジチェア】【読書】【アームチェア】
- 出版社/メーカー: sandy style
- メディア:
- この商品を含むブログを見る
ならばDIY大好きな自分としては自作しない手はありません。
普段の工作で使っているボール盤や金ノコからミシンとハサミに持ち替え布と糸と格闘となりました。
では早速シート造りについて。
【材料】
- 帆布(4号) 720mmx1270mm
- ミシン糸(#30) (色はお好みで)
- 布用接着剤
【道具】
- ミシン・・・厚い生地が縫えるパワーのあるもの
- 針・・・・#14か#16(今回は#16を使用)
- マーキング用のペン(時間が経過すると自然に消えるもの。ダイソーで購入)
- アイロン
【手順】
- 上記の寸法に帆布をカットする。
- このように幅が540mm位になるようそれぞれ両側を90㎜程折り、ミシン掛けし易いようにアイロンでプレス。(この段階ではアイロン掛けは端の部分だけでOK)
- 折り曲げた部分を縫い合わせます。
- 4か所とも縫い合わせたら、縫い目が内側になるようにひっくり返します。
- 端の真ん中部分もアイロン掛けしてしっかり折って縫います。(ここはジグザグ縫いにしてみました。縫った後の写真は撮り忘れてしまいました)
- 折り返した部分を全体的にアイロン掛けして形をしっかり整え、直線縫いで縫う。強度確保のため2列縫います。
これで縫いは完了。次に穴開けです。
穴は(片側で)ボルトを通す穴が2つとパイプの曲げ部分の穴が2ヵ所です。(それとあともう一箇所穴を追加しました。)
ボルトを通す穴はシートの横側に、パイプの曲げ部分の穴はシートの裏(底)側に開けます。
▲オリジナルのシートの裏側。小さな穴がボルト穴。大きい穴がパイプ曲げ部分の穴。
穴の位置は、元のシートの穴位置を参照したり、パイプの穴位置や曲げ位置を巻き尺で実測したりして決めました。
- ボルト穴は少し余裕を持たせて10mm×20mm位の大きさにしました。(なるべく小さくした方が完成時の見映えは良いです。)
カッターやハサミで穴の中心部分を十字に切れ込みを入れ、内側に折り返して接着剤で貼り合わせ(というか固め)します。 私は木工用ボンドを使ったのだけど、洗濯することを考えるとボンド系のゴム系接着剤の方が良いと思います。(木工用ボンドは水溶性なので) - パイプの曲げ部分はパイプの円周の半分位。パイプの直径は19mm位なので19mmx3.14/2 = 29.83mm(約30mm)
これもボルト穴同様に十字の切れ込みを入れて内側に折り返して接着剤で貼り合わせます。 - あと、オリジナルには無い穴をもうーつ追加。オリジナルのシートでは。フレームのパイプはボルトの穴から入れるようになっているのですが、その分シートのサイズ(長さ)は余裕が必要。また使用しているうちに生地が縮んで来るとパイプが取り出し難くなるので、ボルト穴より端の方にパイプの入り口を設けてみました。
これでシートが完成です。
接着剤が乾くをのを待ち、フレームパイプを入れて組み上げます。シートサイズを前後方向に少し余裕を取って大き目したので無理なく入れることができました。
パイプフレームを二本とも入れて
肘掛のフレームとボルトで固定して完成。
▲フレームの曲げ部分の穴位置もばっちりでした。
我ながら良い出来栄え。
久々に座ったニーチェアの座り心地は格別でした。
【参考】
今回制作したのは「ニーファニチア」のニーチェアX用のシート。
裁断した布の寸法と、
▲網掛部分が折り返す部分です。
穴の位置です。
▲“A”がボルト穴、”B”がフレームパイプの“曲げ”部分の穴。赤い丸が追加したパイプの出入り口。
ミシンについて
今回の工作のために入手したミシンはトーヨーの「JY-1NR」という家庭用コンパクトミシン。
4号の分厚い帆布を縫わねばならないので、パワーがあるミシンということで選びました。(4号の帆布はジーンズよりも分厚いです。倍くらいの厚さではないでしょうか)
実際、4枚重ねて縫う箇所もちゃんと縫う事ができました。機能もシンプルで初心者でも使いやすいと思います。
ミシンを使った物作りもなかなか面白いものです。他にも作りたいものが幾つかあるので楽しめそうです。