自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

登山は楽し~其の3

 燕岳の早朝。
 あちこちでゴソゴソと起き出す人たちの物音が聞こえます。時刻は4時。外は生憎の雨と霧で御来光は見れそうにもない状況でしたが、皆さん早起きです。

 私は、何故か昨夜はなかなか寝付くことが出来ず、眠った記憶が殆ど無い状況。
 周囲の人たちの気持ちよさそうにイビキをかいて寝ていたのに、どういう訳か目が冴えてちっとも眠くならなかったのです。

 その為か頭が重く、気分爽快とはいえない状態でした。一昨日の夜も睡眠時間は短かったので、この後大丈夫かちょっと心配です。


 朝食は、夕食同様、4回に分けて入れ替え制。
 しかし、夕食とは違って並んだ順なので廊下には長蛇の列。まぁ、宿泊客が大勢なので仕方がないです。

 朝食後、登山客はカッパを着こんで続々と出発していきます。

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 我々も槍ヶ岳方面に続く稜線(表銀座、というのでしょうか)をちょっとだけ歩いてみよう、ということでカッパを着て山小屋を出ました。

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 残念ながら、まだまだ霧が立ち込めていて見晴らしは良く無いものの、稜線を歩くのは気持ちよさそう。晴れの日だと景色は素晴らしいのでしょう。いつかこの表銀座というルートを歩いてみたいと思いました。

 山小屋に戻ってザックを背負い、下山します。

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▲標識の前で楽しそうに記念撮影していた女の子二人。テント泊らしく大きな荷物を背負っていますが、重さもなんのその。楽しそうにはしゃいでいました。今の我々の体力ではとても無理です。

 

 下りはやはり楽です。N君も昨日とはうって変わって軽快に歩いていきます。

 下るにつれて天気は良くなっていきます。晴れ間も出てきて見事な雲海が見えました。

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 登りと違って下りはやはりペースが速いです。どんどん標高が下がっていき、N君は高山病の症状がすっかり解消したと晴れやかな顔をしています。

 それに対して私は一向に頭痛が消えません。若干の胸のむかつきも残っています。一体、どういう訳だろう?

 ...もしかして、二日酔いなのか??

 昨日は1.5Lものビールを飲んでいます。大酒飲みのN君には普通でも私にとっては明らかに飲みすぎです。しかも寝不足という条件も重なっています。
 百名山にも数えられる山で二日酔いとは。それでも合戦小屋辺りまで来ると大分ましにはなってきました。

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▲合戦小屋には西瓜が売られています。大変そそられるのですが、一切れ800円という強気な価格設定。止めときました。

 

 合戦小屋を過ぎると続々と上りの登山者とすれ違うようになってきました。

 表情を変えずに黙々と上ってくるベテラン風の人もいますが、大部分はゼィゼィと虚ろな目をして上ってくる人達です。こんなキツイ坂道があるとは思わなかった、とこぼしている人もいます。

 気の毒に。この坂を上りきってもまだまだ険しい坂は続きます。

 それに対し、我々は昨日頂上まで上り切っているので心に余裕があります。自然に気持ちが大きくなり、頑張ってください、お疲れ様です、もう少しですよ、とか声を掛けるようになりました。

 そして気が付きました。昨日すれ違った下山者が皆優しい声を掛けてくれたわけを。

 

 しかし、下りは上りとは違ったキツさがあります。急で険しい下りの連続で私の両モモは疲労が溜まり、両膝には痛みが出てきました。

 一方、N君は絶好調。小柄な身体で牛若丸のようにひょいひょいと駆け下りていきます。ヨレヨレの私の事などお構い無し。

 たまに私がズルッと足を滑らせると、ニコニコと嬉しそうに振り向き、大丈夫ですか?なんて言ってきます。

 こしゃくな。

 昨日の上りは死にそうな顔して歩いていたくせに。こんなことなら遠慮せずに振り切ってやればよかった。

 しかし、後はずっと下りばかり。何とか転倒せずに*1下りきるのが精一杯でした。

 それでも、無事に登山口の休憩所に辿り着いたときの達成感というか開放感は上りとはまた違った格別なものがありました。

 

 この後は近くの有明荘で温泉に入り極楽の一時を過ごして今回の燕岳登山は終了となりました。


 N君、来年もまた登りましょう。

 

 <終わり>

*1:有明荘には顔や腕に擦り傷を作り泥まみれの人が何人かいました。転倒する人は結構いるようです