AM6時前に起床。目覚ましが無くても自然と目が覚める実に健康的な生活パターンが定着しています。
今日も天気は上々。空は薄曇りだけどこれから晴れていきそうな様子。風も無くさわやかな良い天気。
▲キャンプ場から見えるウトロの漁港。
今日の朝食はカレーライス。昨夜は軽く済ませたので、今朝はしっかり食べることにします。
▲ご飯を炊きながらレトルトカレーを温める図。
ネットでの天気予報を確認すると全道的に曇り/雨の予報。週間予報では今日から天候は回復するはずだったのに。しかも、ラジオでは全道各地で大雨警報だの土砂災害警報が出ている、十分注意するように、と報じている。ここウトロの穏やかな天候からはちょっと信じがたい。いったいどういう事だろう。
これで今日の予定が組めなくなりました。
ツーリングなので一カ所に留まっているいるのは本意ではない。でも雨は避けたい。雨中走行は楽しさなど微塵もなく修行みたいなもの。このままここに留まった方が良いのか?それとも天候が回復していく地域を探してそっちに向かうか?
悶々としているうちに天気はどんどん良くなってきて、暑いくらいになってきた。
じっとしていてもしょうがない、と出発を決意。テントを畳んで荷物をまとめ、キャンプ場を出発。
まずは知床五湖に向かうことにしましたが、その前に給油。国道に出てすぐのGSに入りました。
そのGSには二人の店員さん(40歳台の店長らしき人と、若い従業員)がスタンバイしていて、他には客がいなかったので、二人して私の給油に対応してくれる。
二人とも頭を坊主のように丸めメガネをかけ、お寺の和尚と小僧みたい。
店員(小僧)が給油をしている間、店員(和尚)が“カタナか~ これは舘ひろしが乗ってたんだよなぁ”*1と呟くように言った。“黒いカタナですよね”というと、店員(和尚)は嬉しそうにいろいろなバイクの話を喋りはじめた。カタナは最近見かけなくなったね、CBも見かけない、でもこの辺には現役のマッハがいる、とか。
いつもの事なのか、店員(小僧)はニコニコしながら給油をしていている。
和尚のお喋りは続き、“私は「AKIRA」*2が好きなんですよ、AKIRAのようなバイク出てこないですかね”なんて言いだし、小僧に“おい、アキラって知ってるか?”などとと話を振っている。
“知らないです”と小僧が答えると“何だよダメだな~”。私も「勉強が足りないね」と突っ込んでやると和尚は楽しそうに笑っていた。
給油が終わり支払を済ませ、ブォンというエンジンの始動音に和尚は“おお~いいねぇ”と上機嫌。二人の“ありがとうおございました!”という声に送られてGSを出発。楽しい一時でした。
知床五湖
国道334号線をしばらく走り、知床自然センターのところから左折して知床五湖に通じる道道93号線は素晴らしい道。クネクネとコーナーなが連続している部分は走りごたえ十分。時折美しい海岸の景色が見えたり。コーナーが連続している部分海岸抜けていくと、雄大な知床の原野を突っ切るストレート。バイクで走っていてテンションの上がる道路です。
知床五湖の駐車場近くになると、既に入場待ちのクルマの列ができていました。が、クルマの列の後ろについていると、係員の人がやってきて、バイクは先に行かせてくれました。(バイクの駐車エリアは別になっているのです)
バイクを止め、ジャケットを脱いで荷物にくくり付け、日焼け止めクリームを顔や腕に塗りたくる。ジリジリとした日差しが照りつけていました。
五湖全部周ろうか、とも思ったけど、研修を受ける時間がちょっともったいないと思ったので、一湖のみとする。一湖には高架の木道を歩いて行くことが出来るのです。
青空が広がり、山の景色も海の景色も湖も全てきれいに見えます。
一番奥の展望台は、他の湖の周遊コースを繋がっているのだけれど、このようなゲートが設けられています。高架木道からは出ていく事は出来ないようになっています。もちろん羆対策で何とも物々しい。まるでジュラシックパークみたい。
フィールドハウスに戻り、土産物とかをみて回る。ご当地品のハスカップ・ロハスと鹿肉バーガーなるものがあったので食べてみる。ややあっさりした味。変な臭みもなく、普通に美味しい。
さぁ、この後どうするか。
知床は何とも言えない居心地の良さを感じます。それにとても天気が良い。
ということで、今日は知床でゆっくり観光することに決めました。バス*3でカムイワッカに行き、湯の滝まで登るのも良いだろう。
再び道道93号線を走ってバスの発着場の「知床自然センター」に向かう。途中の海が美しく見えるワインディングの部分で少し路肩が広い場所があったのでバイクを止めて写真を撮る。
▲とても美しい景色なのですが、写真に上手く収めることが出来ないのが残念です。
やっぱり皆ここの景色が気に入るようで、他にも何台かバイクやクルマを停めて写真を撮っていました。カタナのすぐ後ろにGSX1300Rハヤブサが停まったので、ライダー君とちょっとお喋り。
ハヤブサ君は、この道最高に楽しい!と嬉しそうだった。昨日は根室の方を走ってきたとのこと。天気大丈夫だった?と訊いたらピーカンだったそうで、どうも場所によって天気の良し悪しの差が大きいようです。
▲これが道道93号線。奥は海。走りも景色も最高に楽しい道です。
カムイワッカ
ネイチャーセンターに入る前に、軽く知床峠まで往復することにする。この晴天なので走らないのは勿体ない。
▲昨日とはうって変わって晴天の知床峠。
▲国後島がくっきりと見えます。
気持ち良く峠まで往復してネイチャーセンターへ到着。バイクの数が凄いです。
ジーンズをトレッキングパンツに、ブーツをサンダルに履き替え、ウェストバッグをリュックに変身させ、カメラとタオルと飲み物を入れて準備完了。
バスはさっき走ってきた道道93号線をゆっくりと進んでいきます。さっきも見た景色だけどバスの窓から眺めるのも悪くない。バスは途中からカムイワッカ方面の未舗装の道に入ります。
▲この時期、一般車両は通行止めなのです。でも自転車は可で、2~3台走っていました。でも羆とか平気なのだろうか?
バスの中では知床半島の自然や歴史などの解説がテープで流されていて退屈はしませんでした。羆でもみれたらラッキーなんだけどなぁ、と期待していたのだけれど、残念ながら姿は見えず。
そうして到着したところは正に地の果てといった雰囲気。
バス停から10分くらい歩くとカムイワッカの湯の滝。
▲この川の中を歩いて登ります。
コケで滑らないように気を付けながら登ります。川の水が温泉で温水プールのような温かさで面白い。
現在登れるのは「一の滝」の少し上まで。ロープが張ってそれより先は規制されていました。
泉質は強い酸性ということなので黒っぽくなった10円玉をお湯の中に漬けてみました。多分汚れが落ちてきれいな色になるはず。すると2~3分で早くも色が変わってきた。
そうしていたら、近くにいた小さな女の子に“あっ、お金が落ちてる”と拾われそうになってしまった。
(“いやこれはね・・・・”と訳を話したら一緒にいたお父さんの方が目を輝かせて、俺たちもやってみようと10円を川の中にいれていました)
▲右側が5分程温泉に浸したもの。元々は左側の10円玉のような色でした。
写真のロープ手前にいる人は地元のパトロール(?)の人のようで、危険が無いかチェックしているようでした。
このロープの先のあたりはクマが良く出てくるところらしく、“ちょうど今くらいの時間から良く出てくるんだ”としきりに川の回りに目を向けていました。
▲子供達はスイスイと下りていきますが、大人はこのとおりのへっぴり腰。
帰りのバスに揺られていると、スッとバスが止まり、運転手さんが「道路の右向こうにクマがいますよ」とアナウンスした。
「えっ!!」と左側の席の乗客は一斉に立上り右側の窓を覗き込む。大人げない!と思った私も立っていた。
“どこ?どこにいる?”と車内は大騒ぎ。縫ぐるみのような小熊が2匹よちよちと歩いていた。
バスの運転手さんは「近くに母熊がいるはずなんですが...見えませんか?」。みんな懸命に探すが見つからず。小熊も森の中に姿を消したのでバスも出発。
バイクで走っていたら気が付かなかったはず。満足のカムイワッカのバス巡りでした。
<続く>