前回のベアリング抜きの治具を製作したところからの続きです。今回も引き続き失敗談です。
▲このベアリングを引き抜かなければなりません。
何とか治具の準備ができたときは午後2時で、すっかり時間が押してしまいました。
前準備でこんなに時間がかかってしまうとは先が思いやられる。
今日はもうのんびりしたい気分でしたが、昼食抜きで気合を入れ直してベアリング交換作業に移ります。
予想の外れと挫折
まず、バイクの前側をジャッキアップして、キャリパーを外して、ホイールのガタ付き具合を確認してみます。すると...
あれ?
全然ガタが感じられない。ホイールの回転も異音やゴロゴロした感じとか異常は感じられません。ちょっと予想と違う。
ホイールを外してアクスルシャフトを挿して、再度ガタつきを確認してみましたが、やはりガタつきは殆ど感じられません。
もしかして、ベアリングは問題ないんじゃないか?と疑念がモクモクと沸いてきましたが、ともかく交換を始めます。ベアリングを買ってしまっているし、今更後には引けません。
手間暇かけて作った治具をベアリング部に装着。
プライヤーでアルミの円柱部分を押さえながらナットを締めこんでいきます。
そうすると円柱部分が外側に開いていきベアリングの内輪にしっかりと押し付けられます。
いっぱいまで締めこんで、塩ビパイプや鉄板をセットし、準備は完了です。
▲ホイール上に装着した写真はありませんが、こんな風に組み合わせます。アルミ円柱部分をベアリングの内壁に圧着させます。
後は、鉄板の上のナットを締めこんでいけば、ベアリングが引き出されてくる、はず。
しかし甘かった。
ホイールに挿入されたベアリングはビクともせず、ヌルヌルと引き出されてきたのは治具の方。見事に失敗です。再チャレンジする気にもなれない位に手応え無し。
やはり内径17mmに対し15mmの円柱素材で治具を作ったのは無理があったようです。
治具のアイディアを考えたり、材料集めから加工に費やした時間や手間がガラガラと崩れていくような感じがしました。
市販工具を購入
うーん、どうするか。
後から冷静に振り返ってみると、フロントホイールのベアリングは交換しない、という選択肢もありました。ベアリングの不具合が感じられないし、もはや交換の意義は失せています。
しかし、その時は気持ちがもう突っ走っているので止まりません。
こうなったら市販のベアリング・プーラーを買うしかない!
こんな展開も有ろうかと、販売店は調べてありました。
向かった先は「アストロ・プロダクツ」。
主に自動車整備のための工具や設備、ケミカル等を扱っているお店で、工具は輸入品を中心に割と安価なものを取り揃えています。サンデーメカニック御用達の店です。
ちょっと以前の事ですが、近所に自分でクルマ弄りしている人がいまして、それこそ毎週末何かしら作業をしているのを目にしておりました。自分よりも重度?のカー・マニアのようでした。
結局、挨拶や会話をする機会もなく面識は出来なかったのですが、アストロ・プロダクツの駐車場でその人のクルマ(少し古い名の知れたスポーツカーです)を見たことが1~2回ありました。
そういうサンデーメカニック、又はその予備軍が集まってくる店と言っても過言ではないと思います。
店に到着すると、私はツカツカと特殊工具コーナー(店の中はどこも特殊工具だらけといえますが)に向かい、目当てのベアリング・プーラーをキープ。
店内には興味深いツールが所狭しと置かれていますが、今日はサッと会計を済ませ自宅に引き上げます。
日も長くなってきたので、急いで帰れば作業を再開できそうです。
<次に続く>