自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

「汚れた英雄」とマン島TT

 バイクはオフシーズンでネタがあまり無いのでヨタ話を。

 

 大藪晴彦の小説「汚れた英雄」。

 北野昌夫がレーシングライダーとして頭角を現してMVアグスタを駆って世界GPでチャンピオンを獲得し、死すまでの物語。時代背景は195060年代であるものの(執筆も1960年代後半)全く古さは感じず、読んでいてグイグイと物語の世界に引き込まれます。初めて読んだのは高校生の時で今でもたまに読み返したりする大好きな小説です。全4巻の大作なんですが、残念ながら今は絶版となっているようで、古本でも入手するのは難しくなってきているようです。

 

 この小説の中で重要な舞台がマン島TTこの小説を読むまでマン島TTレースの事は知らなかったですが、当時の二輪の最高峰のレースでありF1レースのモナコGPやインディ500のような特別な位置付けだったようです。ホンダも本田宗一郎社長がマン島TT参戦を宣言して世界に挑んでいったし。

 

 そんなわけで多分作者もマン島TTレースに強い思いを持っていたんじゃないかと感じます。

 レースの様子だけでは無く、モーターサイクルと共に船でマン島に渡ってくる観客の様子やレース期間中の島の雰囲気などが生き生きと描かれていて、その情景が頭の中にくっきりと浮かんできたものでした。

 特に北野昌夫が見学のために初めてマン島に降り立ったところは好きな場面です。

 

 そんな当時のマン島TTの様子の動画をYoutubeで見つけました。

 船からモーターサイクルでマン島に上陸する観客の様子やレースの様子。ウォームアップエリアでマシンを暖気する様子やレースの状況を示す順位表のボードとかが映像に収められております。ジョン・ハートルやジョン・サーティズとか小説に登場するライダーの姿も。

 「汚れた英雄」で描かれていたのはこういう光景なのだなぁとしみじみ感動しました。

 


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 因みに、1980年代に角川映画で映画「汚れた英雄」が制作され大ヒットしましたが、内容は小説とは別物。小説に比べると面白さは劣ると思いますが、オープニングがとても素晴らしいと思います。


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 いつか小説と同じ内容で4部作くらいで映画化されないかなぁ、と夢想します。小説の世界を映像で見てみたいです。「グランプリ」や「ラッシュ」や「ゴジラ -1.0」みたいな見応えのある映画になると思うんです。

 

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