自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

ブレーキのエア噛みみたいな事象の原因対処

 さて、大騒動になりながらの作業となったベアリング交換の、そもそものきっかけは、バイクを止めた状態でハンドルを左右に切っていると(所謂、“車庫入れ”みたいなことをやっていると)、ブレーキレバーの引き代が異様に大きくなってしまう、ということ。

 せっかちな私はろくに確認もせず、“ベアリングにガタツキが発生している、交換せねば!”先走ったのですが、いざベアリングをチェックしてみるとガタツキなどは殆ど無い良いコンディションで、ベアリングの問題では無いことがわかりました。

 では何が原因か?

 

本当の原因

 こうなると考えられるのは、ホイールをフォークに固定するアクスルシャフトとなります。

 私のカタナは89'のGSX-R(GV73)のフォークに88’のGSX-R(GU74)の18インチ・ホイールを組み合わせるということをしています。

 ホイールのアクスル径は17Φ。それに対しフォーク側は20Φのアクスル。しかもこのような妙な形をしています。

f:id:sword749:20140423224958j:plain

▲GV73用のアクスルシャフトです。ただのストレートな形状ではなく、左側のフォークにクランプする部分が太くなっています。

f:id:sword749:20140405175222j:plain

 ▲こちらは17Φのアクスル。真っ直ぐな普通の形のシャフトです。

 

 そのため、17Φのアクスルシャフトと特注のカラーを用いてホイールをフォークに組み付けています。

 図に書くとこんな感じです。(バイクの正面から見ての図です。)

f:id:sword749:20140424223135j:plain

▲89’GSX-R1100(GV73A)のノーマルのホイールの取り付けです。

 

f:id:sword749:20140424223329j:plain

▲こちらがカスタム状態

 

  つまり、ガタが発生し得るポイントがいくつか存在することになります。

 一つは右側のカラーで、カラーとフォークの孔、カラーとアクスル・シャフトのクリアランスが大きいと其々でガタつくことになります。

 もう一つは向かって左側のカラー①とアクスルシャフトの間。ただの丸い管にシャフトを通すので、クリアランスの分だけガタつくことになります。

 このクリアランスを減らして、ガタつきを減らせば良い(というか減らさないといけない)わけです。

 こうやって改めて考えてみるまで、全然気が付きませんでした。

対策

 まず、向かって右側のカラー②ですが、外径を測ってみると、19.6mm位でした。フォークの孔とも少し隙間があるのを感じます。 これを何とかしなければ。

 家の中を漁ってみると、外径20mm、内径17mmのちょうど良いアルミパイプが見つかりました。何かのために、と買っておいたものです。

f:id:sword749:20140423234843j:plain

 外径を測ってみると、大よそ20mm程で、元のカラーより若干ですが大きいです。

 これをカットして、元のカラーと入れ換えました。フォークの孔ともピッタリで、ガタガタ遊ぶ感触は感じられません。


 続いて向かって左側。

 こちら側は、ホークの下部に二つのボルトがあり、これを締め込むとフォークの孔が縮まってシャフトを締めこむ仕組みになっています。

 しかし、現状では、カラー①は円形のパイプ形状になっているので、フォークを孔を締めてもカラーが支えてしまい、カラー①の内側とアクスルシャフトのクリアランスは保たれていてスカスカに動く状態です。

 ならば、ということでカラー①にメスを入れることにしました。

 縦に切れ込みを入れ、円形から“C”の字型にします。
こうすることによりフォーク孔が縮むとカラーの内径も締め付けられて縮み、アクスルシャフトが固定されるようになります。

f:id:sword749:20140322133102j:plain

f:id:sword749:20140322133054j:plain

▲私の手仕事なので、これも金ノコでやりました。少し斜めになってしまいましたが、まぁ良いでしょう。

 

f:id:sword749:20140322133704j:plain

▲フォークにカラーをセットした図


 しかし、フォークの二つのクランプ・ボルトをいっぱいに締めこんでもアクスル・シャフトはスカスカとスムーズに動いてしまいます。

 カラーの外径がほんの少しだけ小さいか、内径が少しだけ大きいようです。

 0.1mmとか0.05mm位とかでしょうか。

 どうしたものか。たったこれだけのことでカラーを特注して作ってもらうのも、もったいないような気がします。加工精度という面でも大変だと思います。

 そこで、私の取った対処方は、“アルミのテープをカラーの外に貼り付ける”というもの。100円ショップで売っているアルミのテープです。
 大胆というか、我ながらなんと形容して良いかわからない、あきれるような対処です。

 ただ、可動部分ではないし、貼り付けるアルミの厚さも極薄(0.1mmくらい?)なので、やるだけやってみよう、と。


 すると、今度はしっかりとアクスル・シャフトが固定されました。ほんと微妙なものなんですね。

※アルミテープを貼った写真も撮っておいたのですが、何故か見当たりませんでした。判り辛くて恐縮です。

 こうしてホイールを組み付け直し、具合を見てみると、事象はかなり改善されました。だだ、何度もハンドルを切っていると、少しだけレバーのストロークが広がります。

 まぁ、気にしなければ気にならないレベルにまで改善できましたので、これで良しとします。

 今回はずいぶんと勉強になったと思います。