キャンプの準備が整い一息ついたとこで入浴道具とカメラを持って風呂に行くついでの阿寒湖の散策に出かけます。
実はこのキャンプ場、国道を挟んですぐ向かいがアイヌコタンという抜群のロケーションでした。
アイヌコタンは勿論、阿寒湖の街もまともに歩くのは初めてですが、なかなか良い感じの街ではないか。(アイヌコタンはスピーカーからBGMが流れていていかにも観光向けの催し物広場という感じではあったけど)
アイヌコタンを出ると大型ホテルと土産物屋さんがずら~っと並ぶ壮観な通りを歩き湖畔へ。
殆どの土産物屋さんの店先では木や鹿の角の彫り物を作っていました。実演販売というやつですが、ビックリするくらい細かい彫り物を作っています。見ているうちに何か買おうかなという気になってくる。お店は何時までやっているのですか?と訊くと何と9時(!)くらいまでは開けていますよとのこと。帰りにまた寄ってみよう。
既に日が落ちて辺りは暗くなってきたけど、阿寒湖の景色は思っていた以上に良い眺め。
雄大な阿寒湖と湖畔の煌びやかな大型ホテルの明かりが良いコントラストで、湖畔沿いのきれいに整備された遊歩道を歩くいているとなかなかのリゾート感。出歩いている人も多くさすがは人気の観光地だなぁと感心する。
そんな風にぶらぶら歩いてやってきたのはキャンプ場の受付で教えてもらった「まりも湯」。開業して数十年は立つであろうひなびた温泉銭湯でした。こういった昭和の香り漂う銭湯は私の大好物であります。
この辺りは先ほどの大型ホテルや土産物屋が並ぶ一帯とは違ってずいぶんと寂れている感じ。古い小さな店が並んでいるけれど大半は廃業しているように見えます。かつてはこの辺りが阿寒湖の中心街だったのかもしれない。
「まりも湯」の引き戸をガラリと開けて中に入ると、受付には誰もおらず。すいませ~んと声を掛けると奥から80歳はゆうに超えているのでは?と思えるおばあさんが出てきました。
おカネを払うとおばあさんは「今日は寒かったでしょ。ここは良いお湯だからね。温まっていってね」と。こういう一声は嬉しいです。
「まりも湯」さんは建物の外観同様に昭和の香りが色濃く漂うところでした。
浴室内もかなりの年季を感じます。湯船も普通のタイル張りのもので、温泉というより普通の銭湯という感じでしたが、確かにお湯は温泉。匂いや色はあまり無く普通に入れる感じ。のんびりお湯を楽しみました。
しかし昭和というか下町感たっぷりのお風呂屋さんです。脱衣所や休憩所のスピーカーから流れる演歌も雰囲気にピッタリ。 自分は演歌は好みではないのですが、ここは演歌がやけに心地よく聴こえました。
帰る時に丁度おばあさんが出てきたので、いいお湯でしたと言うとおばあさんは嬉しそうに「ここは本当にいいお湯でしょう。それに時間帯でお湯の質が変わるの。朝一番のお湯もまた良いのよ」「朝は9時からなんだけどね、朝のお湯に入りたくて並んで待っている人がいることもあるのよ。そういう時は少し早く開けてあげるの」とおばあさんは嬉しそうに話してくれました。
こういう銭湯は人により好き/嫌いは分かれると思いますが、私はとても気に入りました。稚内の「みどり湯」と双璧ですね。是非また来てお風呂に入りたいと思いました。
帰りはまた湖畔街をのんびり歩いてさっきの土産物屋さんで小さなコロポックルの木彫りと鹿の角のキーホルダーを購入。
キャンプ場に戻り遅い夕食を食べて床に就きました。
【本日の走行距離:おそらく260kmくらい】
※現在は知床峠が通れないせいか(冬季通行止め)ルートがちょっとおかしいです。
実際にはウトロから羅臼まで峠を通りました。