ツーリングレポートが続いているので、箸休めにちょっと違う話を挟みます。(またマニアックな話です)
1レバー式のピーク1ストーブの火力調整が改善出来たことは以前紹介した通り。
狙い通り弱火まで火力調整が出来るようになり喜んでいましたが、アルミの破片を挟む、という措置方法がちょっとイマイチだな、という気がしてきました。そしていっそのこと丁度良いサイズのシリンダーブロックを自作してみようかと思い立ちました。直感的に自作できそうに思えたのです。
オリジナルのシリンダーブロックは6mmの6角形の棒を切削加工したもののようで、旋盤があれば作れそう。
旋盤なんて持っていないですが、代替の方法を思いついたので作ってみる事にしました。
材料は6mmと3mmの真鍮の丸棒。ホームセンターでも手に入る素材です。
まず6mmの丸棒を適当な長さにカットします。
カットした棒は端をヤスリできれいに整形+丁度よい長さ(オリジナルのシリンダーブロックの六角部分の長さ+1mm)に削って加工します。
これに2.8mm径のドリルで10mmちょっと掘っていきます。これは出来るだけ垂直になるよう慎重にやらねばなりません。
まず細いドリルで下穴を掘り、
次に2.8mm径のドリルで彫っていきます。きっちり垂直とはいきませんでしたが、何とか使えそうなものにはなりました。
突起部分とする3mm径の棒も切り出します。
6mmの丸棒は端を面取りします。
これに3mmの丸棒を万力を使って圧入しました。2.8mm径のドリルで掘った穴は丁度良いサイズで、無理なく圧入できかつ抜こうとしても抜けないという絶妙なものでした。
この辺りになると夢中になって作業していたので圧入の写真は撮り忘れていました。
次に3mm棒の先端部分をヤスリで削っていきます。
ここに1.5mmのドリルで穴を空けます。ここで失敗したら作り直しになるので細心の注意を払って何とか穴を空けることが出来ました。
最期に燃料バルブのレバーの棒が嵌まる溝を作ります。金ノコと薄いダイヤモンドヤスリを駆使して溝を付けました。溝の位置と向きを間違えるとこれまた作り直しなるので慎重な作業となりました。
これまた作業に夢中になっていたので写真は撮っていませんでした。
こうして出来上がったのがこちら。思い付き+ダメ元で作り始めたのですが、意外と上手いこと形になりました。
出来上がったシリンダーブロックを仮組してちゃんと動作するか確認。
写真は有りませんがジェネレーターのクリーニングロッドも1.5mmの穴に嵌まる事も確認しました。(ちょっとヤスリで調整はしました)
問題は無さそうなので燃料バルブアッシーを組み立て、ストーブを組み立て、テスト燃焼。バッチリ、強火から弱火まで完璧です。
作業をまとめると簡単に見えますが、作業開始からここまでかかった時間は気付くと5時間を超えていました。エッ!もうこんな時間!?でした。
これだけの労力をかけましたが、当然ながらアルミの破片を挟んだものと燃焼具合や火力の調整具合は変わりません。
でも自分の発想を具現化出来たのでとても満足感がありました。無意味だけど、純粋にやってみたいと思い、無心で作った工作は久しぶりで楽しかったです。子供の頃模型作りに熱中していたときのようです。
この後何度かテスト燃焼を繰り返して問題が無い事を確認し、バーナーボックスも新品に交換してこのストーブは北海道ツーリングに持って行きました。
気に入った道具を使ってのキャンプツーリングは楽しかったです。
<了>