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GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

ビートルズの新曲

 今年もジョン・レノンの命日がやって来ましたので、ジョン(ビートルズ)に因んだ話を。

 

 今年の秋はビートルズの新曲(Now and Then)が出るということがちょっと話題になっていました。ジョンが生前に収録したデモテープからAIを駆使したデミックスでジョンのボーカルだけを抽出し、それに演奏を加えて新曲として完成したそうな。

 

 でもビートルズファンの私ですがあまり興味はありませんでした。こういった“新曲”は過去にも2、3曲出されていたけれど、話題性だけでそれ程良い曲には感じなかったからです。

 

 でも先日、Youtubeビートルズの新たにリニューアルされた「赤盤」と「青盤」について解説された動画を見て大いに食指が動きました。

(↓これが一番分かりやすく面白かったです)


www.youtube.com

 

 

 「赤盤」と「青盤」(正式なアルバムタイトルではなく通称)はビートルズのベストアルバム。「赤盤」には前期の、「青盤」には後期の主要な曲が収録されています。かなりの曲数が収録されているので、ビートルズの入門にはピッタリのアルバムです。

 

 この度、新曲を「青盤」に追加するのに加え、「赤盤」と「青盤」それぞれに収録曲を追加。それだけではなくリミックスもなされているとのこと。同じトラックに録音されている楽器やボーカルの音をAIを活用したデミックスで一旦分離し、それを適切な音位に配置してミックスし直しているとのこと。かなり良い仕上がりになっている模様。

 

 私は新曲よりもこのリミックスに食いつきました。

 

 ビートルズの初期の楽曲ってステレオの音の配置が変なのです。ボーカルは右から、楽器の音は左からって具合で音場感というのでしょうか、これが良く無くて平べったく間延びした音に感じます。聴いていて何か物足りない音。

 中期くらいのアルバムまではレーコーディングのトラック数が少なく、特に初期では2トラックだったそうなので仕方ないのでしょう。

 これがリミックスで改善されているのなら凄い事だなと思いました。特に追加収録された「アイ・ソーハー・スタンディング・ゼア」や「ツイスト・アンド・シャウト」、またモノラル版の「ラブ ミー・ドゥ」といった大好きだけど音が残念に感じていた曲がリミックスでどのようになるのか。

 

 また「ラブ・ミー・ドゥ」はリンゴ・スターがドラムのバージョンとのこと。この曲はドラマーが異なる3つのレコーディングバージョンがあり、私はリンゴのバージョンが好きなのです(ただしその理由はドラムではなくベースの演奏なのですが)。リンゴのバージョンはあまりCD収録されていないのでこれも嬉しい点。

 


 Youtubeを見終わると、今すぐにでも聴きたくなってCDショップに買いに行くことにしました。ネットで注文して届くのを待っていられない。特に初期の曲がリミックスの効果は大きいはず。まずは「赤盤」を買うことにしました。

 

 最近はCDショップが激減しているのでネットでCD屋を探し、よく行くショッピングモールにHMVがあるのを見つけ早速買いに出かけました。

 こんな風にワクワクしてCDを買いに行く、買い物をするのは久しぶりな気がします。最近は ”欲しいモノ” ではなく“必要なモノ” のを買う買い物が多いです。

 

 ところがそのHMVはやけに控え目な店構えで売り場面積はかなり小さい。品揃えも目につくのはアニメや韓流やJ-POP、演歌の商品棚で、洋楽が見当たらない。店の中を見まわたしたら洋楽コーナーは壁の一角に僅かに設けられているという有様。今はこういう状況なのかと愕然としました。

 さすがにビートルズのCDはあり、僅かに陳列されている「赤盤」を持ってレジへ。するとアルバイトらしき学生っぽい女の子が「こちらは新曲が入っていないですが、お間違い無いですか?」と何度も訊いてくる。最初は ”おっ!ビートルズに詳しいね!”と一瞬嬉しく感じたけどそうではないみたい。多分、新曲が入っている「青盤」と間違えて買ってモメる人も多いのでしょう。

 

 

 

 

 帰宅して早速聴いて、驚きました。

 1曲目の「ラブ・ミー・ドゥ」から従来のとは音が全然違いました。ボーカルが中央から聞こえてきて自然な感じ。楽器もそれぞれの音が聞き取りやすくなっております。ドラムの音が強くなったせいかメリハリが出ています。

 「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」や「ツイスト・アンド・シャウト」とか他の曲も同様。従来のは平べったく間延びした音に感じることもあったのが、音に奥行きが出て躍動感、スピード感が出ています。これは素晴らしい。

 

 音場感だけでなく曲の印象がずいぶん変わった曲が多いです。「ア・ハード・デイズ・ナイト」のイントロは他のバンドのカバー演奏かと思うくらい違う。

 

 一番気に入った曲は「デイ・トリッパー」で、これも従来のCDの音は何か物足りなく感じていたのが、ギターの旋律とドラムがエネルギーに満ちスピード感が出て凄くカッコ良くなってます。まるでレコーディングをやり直したかのよう。これが本来の「デイ・トリッパ―」だと思いました。

 

 一方で音が変わったことで違和感をおぼえて、従来のミックスの方が良いなぁと思った曲もあったりしました。聴きこんでいくうちに「赤盤」が良いと感じるようになってきましたが、結構好き嫌いが分かれそうな気もします。

 

 そんなわけでリミックスされた「赤盤」は最新技術で作られたビートルズの新しい曲のようにも思えます。今になって新鮮さを感じながらビートルズを聴けたのは幸せな事でした(「青盤」もどのような音になっているのか興味が出てきました。)

 

 ただ、今回のリミックスが究極ではないはず。またいつかより素晴らしいバージョンが出てくると思うと楽しみです。

 

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 余談ですが、ビートルズのアナログレコードは幾つか持っていて、久しぶりに引っ張り出してみたら「赤盤」のレコードも出てきました。いつ買ったのかさっぱり覚えていないのです。多分中古レコード屋で見かけて何となく買ったのだと思います。(安いし買っとくか、というノリで)

 

 

 今となっては貴重なレコード。今はろくなレコードプレイヤーを持っていないので棚に仕舞ったままですが、いつか良いレコードプレイヤーで聴いてみたいものです。

 

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