先日、スキーのブーツのインナーブーツを作ってもらったのですが、そのお店が職人気質でなかなか面白かったので紹介しようと思います。スキー関連の話しというより職人さんの仕事のエピソードとして読んで頂ければと思います。
この冬もスキーの上達に頑張ってきたわけですが、滑れば滑るほどブーツのフィッティングに不満を感じるようになってきました。
こんな事をやって工夫してみましたが、どうしても満足のいくレベルにはなりませんでした。
整地ではまぁまぁなのですが、不整地とかアイスバーンのような不安定なところだとブーツの中で(僅かなのですが)足がずれてしまい、思うようにスキー操作が出来ません。
また、右足の方はブーツの中で足がずれたとき一部突起した骨がブーツのシェル(外側のプラスチック部分)に当たって痛みがでます。バックルを増し締めしても一時は改善してもインナーブーツのクッションが潰れてきてまたズレるようになるし。
ブーツ(シェル)そのものは気に入っているし、何とかならないだろうか?
考えた末、インナーブーツをフォーミング式の物に換えることに行きつきました。
これはインナーブーツの生地にクッション材となる充填剤(ウレタンとのこと)を注入し、自分の足に合わせた形にに仕上げるというもの。
ブーツがきついのならばシェルを広げる方向での対処となりますが、緩いのならこういう手段になるような気がします。費用はそれなりにかかりそうですが、これならフィッティングの問題は完全に解決できるはず。
でもそもそもインナーブーツだけを作ってもらえるのかどうか。兎に角まずは相談してみる事にしました。
向かったのは東京・神田にある「神田ブーツ研究所」。スキー、それもブーツのフィッティングの話しになるとよく耳にする有名なお店です。以前から気になるお店でした。
先日購入したスキー板(太板)を引き取るついでにブーツを持参して行ってみる事にしました。
"研究所"と言っても店構えはこんな感じ。何となくちょっと足を踏み入れづらくも感じます。
階段を上がって3階に上がるとすぐに店というか作業場で、ドアは開け放たれていて奥に店主の方がいらっしゃいました。ドアが開いているというのは気持ち的に入るのが楽ですね。 店主の方もとても気さくな方でしたので、性格が表れているのでしょう。
店というか作業場はとても雑然としていました。あちこちにいろいろな治具や工具があり、個人でやっているバイク屋さんみたいな感じ。予めどのようなお店かはネットの情報で知っていましたが、予備知識無しで訪れたらちょっと驚くと思います。
ちょうど他にお客さんはおらず、お手すきだったので、早速相談をして頂けました。
すると「まずは足のカルテを作りましょう。ここに座って裸足になって下さい。」となり、足の診断が始まりました。
足の寸法を測かった後、左右それぞれの足を手で包み込むようにして足の形を確認。
次に「ここに足入れて立って下さい」。コピー機みたなもので足裏のコピーを取りました。
その結果、
- 足の大きさは左右でそれ程大きな差はない。
- 足の形状や骨の出っ張りとかも大した問題は無し。
- 足裏の形状も左右ともちゃんと土踏まずがあって、問題無し。
という事で、普通にインナーブーツを作るだけで大丈夫で、シェルの加工は必要無いでしょうとのこと。インソールは今使っているものでOKとの事でした。(足裏の形の矯正が必要な場合はインソールも製作する事になるのだと思います。)
因みにこの診断/相談までは無料でやってくれるっぽいです。
インナーブーツは「REXXAM」*1のカスタムインナーブーツだそうで、この研究所向けの特注品とのこと。通常のインナーブーツはフォーミング剤が入る部分が足首の下までらしいですが、この特注品は足首の上までフォーミング剤が回るようになっていて、足のフィットがより良いそうです。
REXXAMではない他メーカーのブーツ(私はHEADのブーツをし使用しています)でも大丈夫なのですか?と訊くと、どのメーカーのブーツ(シェル)でも大丈夫とのこと。今シーズンも何人かHEADのブーツのユーザーにインナーブーツを作っているそうです。
しかもこの日にフォーミングの作業が可能との事なので、お願いする事にしました。
次回に続く。
*1:日本のブーツメーカーです。こちらのブーツ研究所はREXXAMとの付き合いが深いらしく、一番最初に来季モデルが入ってくるそうです。