河口湖自動車博物館の飛行館の数多くの展示物を見ていて、その中の一つ、栄エンジンの説明パネルを見ておや!?と思いました。
この飛行館、飛行機(機体)の他にエンジンを始め様々な部品単体の展示物が沢山あります。
因みに「栄エンジン」とは中島飛行機で造られたエンジンで、海軍のゼロ戦や陸軍の一式戦・隼等に搭載された有名なエンジンです。三菱のゼロ戦に他社のエンジンが搭載されたというのが面白いです。三菱でもエンジンは造っていたので、発動機部門はさぞ悔しかったことでしょう。
で、この栄エンジンですが説明パネルによると、何と稼働可能なエンジンとの事なのです。
自分の知識では稼働可能な栄エンジンはアメリカで所蔵されているゼロ戦52型の1機のみだと思っていました。他にも飛行可能なゼロ戦は数機ありますが、それらはプラット・アンド・ホイットニー製エンジンが搭載されているはず。
まさか他に動かせる栄エンジンが存在していたとは。しかも日本に。*1
今まで何度か訪れていますが、このエンジンは展示されていたかな?(毎年展示のレイアウトは少しずつ変わっているので自分が気が付かなかったのかもしれません。)
少し興奮して館内の説明員(いつもいらっしゃる老齢の方です)に訊いたところ、以前から展示はしていたとの事。
そして最後に動かしたのは4年程前とのこと。今でも動かせるそうだし、発動を見たいという要望は多いそうですが、そういったイベントを催すとなると場所の問題とかいろいろ大変なのだそうです。広さだけではなくエンジンの排気音(騒音)も考慮しなければならいそうで。
機体に付けてエンジンを回せば最高なのでしょうが、それはもっと大事になるので難しいそうです。
この説明員の方、ちょっと尋ねただけだったのですがエンジンのレストアの苦労やらいろいろと話してくれました。腐食していた部品の一部はイタリアのメーカーに依頼して作ってもらったりしたそうな。
この方、大変豊富な知識をお持ちで、この方の話しを聞きたくて訪れている人も多いようです。私が話をさせて頂いている間も順番待ち?の方がいらっしゃいました。
そしてまるで世間話が発散するように栄エンジンの件だけでは無くいろいろな興味深いエピソードを話して下さいました。
(続く)