稚内の街を通っていると100円ショップが有ったので、持ってくるのを忘れたクーラーバッグを買う。旅の途中で生活感溢れる100円ショップに入ると何か妙な感じがする。
相変わらずの曇り空の元、宗谷岬に向かって走る。天気が良ければ宗谷に向かう道の景色もきれいなのだけど、寂れた景色にしか見えないです。
岬の手前で右折して丘陵に上がる。天気は悪くても広大な牧草地帯には圧倒されます。
▲晴れた日なら向こう側の海の色とのコントラストが美しいのですが...
予定では、ここでゆっくり丘陵を巡るつもりだったのだけど、小雨が降り出しそうな空模様なので、宗谷岬にも寄らず猿払のキャンプ場に向かうことにしました。
もう、今日はさっさとキャンプ場に入ってテントを張ってゆっくりしたい気分。
猿払に近付くにつれ、多少天気はマシになる。どうも天気が悪いのは北の方だけのよう。
キャンプ場に入る前に猿払名産のホタテを調達。
しかし時刻は既に5時近く。ホタテの加工工場の直売所はもう閉っていたので、一昨年買った店に行くも売り切れ。どこか売っているところは無いですか?と訊くと「道の駅」にある、と教えてくれる。(キャンプ場は道の駅に隣接しているのでちょうど良い)
ここでアクシデントが発生。
バイクのハンドルの上(正確にはトップブリッジ)に置いてあったヘルメットがグラリと落ちそうになったので、思わず手を出したら、メーターバイザーをパンチするようなかたちになり、パキンッ!と乾いた音を立てて割れてしまった。
軽く当たっただけなのにこんなにも簡単に割れるとは....バイザーは消耗品みたいなものだけど、よりによってツーリング中に割れなくても、と思う。
旅を無傷で終える、という目標は早くも頓挫してしまいました。
気を取り直して夕食の材料を買出しをして、さるふつ公園キャンプ場に到着。
キャンプの受付のときにホタテを売っている場所を訊いて、テントを張るより先に買いにいく。
ホタテを売っていたのは、以前は公共浴場だった建物。魚介類の販売や、炭火焼ができる施設となっていました。(入浴は隣に新しく出来たホテルの浴場が利用できます。)
もう5時過ぎでお客の姿は殆ど無し。キャンプで食べたいので帆立貝を二個ください、というと一個200円だった。産地直売にしてはちょっと高いなぁと思う。
でも、たった二個の買い物なのにお店の人達はとても親切だった。
店長らしき人が “キャンプですか。ぜひ猿払のホタテを食べてください” と、調理の仕方や注意点を丁寧、親切に説明してくれて、こっちが恐縮するくらい。会計を済ませて店を出ようとすると、別の店員さんが“貝の開け方知ってますか?”とパンフレットをくれて説明をしてくれる。
なんだか大歓迎を受けたような気分で店を出ました。
因みに、教えてもらった帆立貝の調理のポイントは、
- 天然物のホタテは砂が入っていることがあるので、貝殻の合わせ目から水を流して軽くすすいでおくと良い。(買ったホタテは砂が敷かれた天然に近い状態の生簀に入っていた)
- 貝殻の付け根付近にある黒い部分(ウロと呼ばれる中腸線)は食用不可なので取り除くこと。(食べてしまう人もいるらしいですが)
貝の開き方は、
- 平たい方の貝殻を上にして殻の付け根部分から洋食ナイフを差し込む。
- 上の貝殻に沿ってナイフを小刻みに動かして殻から貝柱を剥がす。
- 殻が開いたら平らな方の貝殻を外す。
- もう一方の貝殻からもナイフで身を外す。
- ウロを取り除く。
ホタテの貝殻が上下で形が違うとか、全然知らない事ばかりでした。
一昨年は、水で洗わずに焼いたので砂がジャリジャリしたし、貝殻を開けずに焼いたので汁は殆ど流れ出てしまった。ウロも食べてしまいました。
おかげで今回は美味しく頂く事ができるはず。
売店からキャンプ場に戻ってテントを張り、マットを敷いて寝袋を敷き、椅子とテーブルを組み立てます。風が穏やかなのがありがたい。(海沿いのせいか、強い風が吹いていることが多いのです)
コールマンのランタンに新品のマントルを付けて空焼きをし、何とか暗くなる前にキャンプの準備が完了。ストーブでお湯を沸かしてコーヒーを入れて一息入れる。
▲広々としたサイトは気持ち良いです。
ホテルの風呂の営業終了時刻が早め(確か20:30)なので、夕食より先に風呂に入ることにします。
新しいホテルなので何もかもピカピカ。浴場にはサウナもあるし、風呂上りの休憩所(畳敷き)もあってゆっくりできます。
今日のメインディッシュはジンギスカン。セイコーマートで買った150gのタレ付ジンギスカン肉と野菜炒め用の野菜のパック。どちらも一人分にはちょうど良いサイズ。これをクッカーで炒めて食べる。
セイコーマートはセブンイレブンとかローソンとかより生鮮食料品が豊富なので、キャンプツーリングの食材調達にはとても便利です。
ホタテやジンギスカンを食べ、ビールを飲む。
▲この大きなホタテ。とても美味しかったです。
ビールが空いたら、増毛町の国稀酒造で買ってきた日本酒をゆっくり味わいながら飲みます。とても旨いお酒でした。(また飲みたいなと思いました)
このキャンプ場は海沿いの国道238号線のすぐ横にありますが、夜になると(昼でもだけど)交通量は少ないので静かです。
ゆっくり酒を飲んでいると、時折、国道をバイクが走っていきます。エンジン音を響かせながらヘッドライトの光りと赤いテールランプが走り去っていく様はちょっと幻想的。
こんな時間にどこに行くのだろう。地元の仕事帰りのライダーなのか?それともツーリング途中のライダーなのか。少し酔いの回った頭でそんな事を考えました。
国稀を飲み終わって周りを見渡すと、つの間にか周りのキャンパーは寝てしまったようで、殆ど姿はみえなくなていました。
歯を磨いて寝袋に入って就寝しました。
本日の走行距離 : 407.1km ※バイクのメーターでの計測