自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~

GSX1100S刀のプライベートカスタムと気ままな工作と冬はスキーの日記です

エンジン不調の原因探求の顛末記②

 パルスジェネレーターの交換も空振りに終わり、トラブルの原因は一番高価なウオタニのイグナイター(SP2コントローラー)の問題ということになりました。

 購入して一年ちょい。故障によるトラブル予防のため古くなったノーマルのイグナイターとIGコイルを刷新するためにウオタニのSP2を導入したのに。

 

 そう思いながらバイクをいじっているとウオタニイグナイターがかなり熱を持っていることに気づく。イグナイター自体の発熱もあるだろうが、取付場所は走行中にエンジンで熱せられた空気が流れてくる場所なのでそれで熱せられてもいるみたい。近くのフレームとかもかなり熱くなっているし。

熱が籠りそうな環境です。

 

 熱により故障した(または故障しかけている)のかもしれない。

 新品に交換しても同じ取付場所ではまた壊れる可能性があるので、ノーマルのイグナイターの取引寸け場所(バッテリーケースの側面)に設置した方が良いだろう。

 それで、ウオタニイグナイターを発注する前に、新たに取り付け用のケースを制作することにしました。今までの取り付け用ケースは潔く撤去しました。

 

転機(思考のリセット)

 ただ、この段階でカタナの車検が迫っていました。まずは車検を通すことが最優先なのでIGコイルもイグナイターもノーマルに戻しました。

 やはリノーマルだとエンジンは安定しています。車検場への往復も全く問題無しでした。

 

 この車検がトラブル原因探求の転機になったと思います。本来のエンジンの調子を思い出せたし、頭の中もリセットされたような気がします。

 

 

 無事に車検に通ったところで、ウオタニイグナイターのケースを製作しました。バッテリーケースの横にボルト固定し、そこにウオタニイグナイターを載せてベルトで固定します。(製作記は別記事で掲載します。)

 

 ウォタニのイグナイターは上手い事収まりました。ここなら熱はこもらないので大丈夫でしょう。良い感じで取り付けられて満足です。

 

 

 で、きれいに取り付けられたのでちょっと走ってみたくなりました。

 IGコイルはノーマルのままで走ってみると問題なく走られました。そして少し走ってからIGコイルをウオタニに付け替えてみる。

 

 ※IGコイルには、ノーマルとハイパワーコイルそれぞれにプラグコード/キャップが取り付けてあり、丸ごと付け替えています。

 

 そうするとまた不具合事象が発生しました。ウオタニのハイパワーコイルだとイグナイターに流れる電流が大きいので、コントローラー不具合が顕著になるのだろうか。

 

 

MSAの活用

 でも何か釈然としない。ノーマルのIGコイルだといつも問題なく走られるのが引っ掛かる。ウオタニのハイパワーコイル側がおかしいようにも見える。でもコイルは問題ないはず。。。

 

 もう少ししつこく検証したくなりました。何とかイグナイターを交換して事象が変るか確認したい。

 でもノーマルイグナイターを付けたら焼損の恐れがある。それでちょっと思いついた方法を試してみました。

 

ノーマルのイグナイターはハイパワーコイルから流れる大電流に耐えられず破損の恐れがあります(図2)。 でもMSAは十分に大電流に耐えられる性能があるらしいです。(実際にウオタニSP2と組み合わせている事例は沢山あります。) そしてMSAからイグナイターに流れる電流は僅かなので損傷の心配は無いはずです(図3)。


 ウオタニのハイパワーコイルとノーマルイグナイターの間にMSA(マルチスパークアンプ)を介せば大丈夫なはず。

 以前、ウオタニイグナイターを設置していた場所はケースも撤去して空いているので、そこにMSAを設置することが出来ます。(元々はMSAやV-UP16を設置していた場所でした。)

 


 MSAを取り付けノーマルのイグナイターに接続替えしてテスト走行に出ました。これでエンジン不調が発生すればウオタニイグナイターが原因では無い、という事になります。

 

 走り出して暫くしてもエンジンのミスファイアは起きませんでした。でもエンジンの調子は何かおかしい。車検のときに比べるとエンジンの吹け上りは重いし不安定。

 それでもう少し走ってみると、エンジンのミスファイアが発生!しました。

 この時は嬉しかったですね。トラブルの原因に近づいたという手応えを感じました。

 (エンジンのミスファイアがなかなか起きなかったのは、MSAでのマルチスパーク化でプラグの失火がかなり防がれていたのだと思います。)

 

 これで問題があるのはIGコイル側という事になります。しかしウオタニハイパワーコイル本体の不良とは思えないしプラグコードの可能性も低い。

 
真の原因箇所が判明

 となるとプラグキャップの不良?でもプラグキャップって壊れるものかな?

 半信半疑ながらノーマルのIGコイルに付いているプラグキャップに付け替えてみることにしました。

 

 その前にプラグを抜いて焼け具合を確認すると、3番シリンダーのが少しかぶり気味だったので、まずはそのプラグキャップを替えてみる。

3番シリンダーのキャップの形状(ストレート)が他と違います。

 

 でも症状は殆ど変わらず。ならば、と他の3つのキャップも全て付け替えてみる。もう他に替えるところはない。ついでにイグナイターもウオタニに接続替えする。

 

 これでテスト走行してみると...何とエンジン不調が解消!スムーズで滑らかでパワフルにエンジンが回ります。この感覚、2か月ぶり。

 

 もう日が暮れて気温も下がって少し寒かったけれど、嬉しくて遠回りしてしまいました。

 

 

 今回のトラブルの原因はプラグキャップで、おそらく4本とも程度の差はあれダメになっていたのだと思います。多分キャップ内で電流がリークして点火不良(ミスファイア)が発生していたのでしょう。

 

 古いものなので劣化が原因だと思いますが、まさかプラグキャップの不良でトラブルが生じるとは思ってもいませんでした。プラグキャップが原因のトラブルって聞いたことが無かったですし。

 恐らく、ウオタニのハイパワーコイルが高電圧/大電流なのでより劣化が進んだのだと思います。

 

 プラグキャップのような単純なパーツが原因のはずがない、という思い込みが最大の過ちでした。このような思い込みが無ければ2ヵ月も要さずに解決出来たと思います。

 今回は大変勉強になりました。

 

 

【補足】

 今回のトラブル解決のヒントは無いかとネットでいろいろ調べました。

 その中で、ウオタニのSP2を付けているカタナで低中回転域のエンジン不調に悩んでいる事例がありました。何年か前のブログの記事でしたが、もしかするとそのカタナもプラグキャップが不良だったのかもしれません。